三菱自、パリモーターショーで「アウトランダーPHEV」を世界初披露

2012年9月5日 16:50

 三菱自動車は5日、9月27日から10月14日までフランス・パリ市のパリエキスポで開催される「Le Mondial De L' Automobile 2012(通称:パリモーターショー)」において、同社が新たに開発した電気自動車(EV)派生の「プラグインハイブリッドEVシステム」を搭載した新型「アウトランダーPHEV」を世界初披露すると発表した。

 今回世界初披露となる新型「アウトランダーPHEV」は、7月にロシアで販売を開始し、9月には欧州でも販売を始める新型「アウトランダー」をベースに、三菱自動車が独自に開発したEV派生型の「プラグインハイブリッドEVシステム」を搭載。EVの特長である環境性能・静粛性・高い動力性能と、SUVならではのユーティリティや4WDによる走行性能を高次元で両立させ、エンジン車と同等の航続距離を持った、SUVタイプとしては世界初のプラグインハイブリッド車。

 長距離移動ニーズの高い中型乗用車クラス以上のカテゴリー向けに新開発した「プラグインハイブリッドEVシステム」は、2009年に世界に先駆けて市場投入した「i-MiEV(アイ・ミーブ)」から得られたEV技術と、三菱自動車がこれまでに培ってきたエンジン技術を融合。外部からの充電(自宅や外出先など)による電力や、減速時のエネルギー回収によってガソリンを節約した走行ができ、従来のエンジン車を大きく凌駕する複合燃料消費率61km/L以上(JC08モード)と、エンジン車同等の航続可能距離880km以上(JC08モード)を目標としている。

 新型「アウトランダーPHEV」は、大容量12kWhリチウムイオン電池の搭載により、EV走行モードだけでも55km以上(JC08モード)走行可能であり、日常生活のほとんどをEVとして使用できる。また、スイッチ操作によりエンジンで発電し、停車中・走行中に電力を蓄えることができる「バッテリーチャージモード」を設定。蓄えた電力はEV走行モードで使用するほか、車載コンセント(国内向けに設定)から最大1500Wまで出力することもでき、外出先や非常時における各種家電製品等への電力供給を長時間可能としている。電池が満充電の場合、一般家庭の約1日分の電力供給が可能。さらに、急速充電コネクター(国内向けに設定)を介して家庭と自動車をつなぐことで、自動車を蓄電池として使用する将来のスマートグリッド対応も考慮している。

 加えて、前・後輪をそれぞれ独立したモーターで駆動し、プロペラシャフト等の機械的結合の無い「ツインモーター4WD」により、従来の4WDシステムと比べてレスポンスが良くきめ細やかな制御や、フリクションロスの低減を実現。車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」と組み合わせることで、車両の走行安定性を高め、クルマを意のままにコントロールすることを可能とした。また、立ち上がりから高いトルクを発生するモーターならではの特性により、大排気量・高出力エンジン車並みの加速レスポンスが得られるなど、優れた環境性能と走行性能を高い次元で両立した。

 なお「アウトランダーPHEV」は、2013年初めから国内市場に投入し、順次、欧州や北米などへの世界展開を進める予定。

 そのほか、パリモーターショーでは、欧州初披露となる新型グローバルコンパクトカー(日本名:「ミラージュ」)や、コンパクトSUV「ASX」(日本名:「RVR」)のマイナーチェンジモデル、「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2012」参戦車「i-MiEV Evolution(アイ・ミーブ エボリューション)」(モックアップ)など、合計11台(プレスデーは7台)を出品する。

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