JR東日本、新宿駅東西自由通路の工事に着手 南口に高層複合ビルも建設
2012年9月4日 19:55
JR東日本は4日、新宿区とともに検討してきた新宿駅東西自由通路について、今回計画がまとまったことから工事に着手すると発表した。新宿駅東西自由通路は、新宿駅の東口改札と西口改札を結ぶ改札内通路(北通路)を拡幅し、改札位置を変更して東西の行来を可能とする通路であり、新宿駅周辺における歩行者の回遊性向上に貢献するもの。
また、JR東日本は、新宿駅新南口駅舎跡地に、新宿エリアの新しいランドマークとなる「新宿駅新南口ビル(仮称)」を建設すると発表した。「新宿駅新南口ビル(仮称)」は、賃貸オフィス、商業施設、文化交流施設からなる複合施設。国土交通省が事業主体で現在工事中の新宿交通結節点と一体的に整備することで、人々が集い回遊する新しい交流拠点として魅力あるまちづくりに貢献する。なお、新宿交通結節点とは、新宿駅南側の線路上空部に人工地盤を設置し、駅施設・歩行者広場・タクシーおよび一般車乗降場、高速路線バス関連施設を立体的に配置したもので、JR東日本が工事を受託している。
新宿駅東西自由通路については、改札内コンコースを拡幅するとともに、一部の階段の位置や向きを変更し、改札内コンコースおよび通路の混雑緩和を図る。また、ホームへ通じるエレベーターを4基新設し、地下コンコースからホームに至るルートのバリアフリー化を図る。今年9月に工事に着手し、2020年頃に使用開始する予定。事業費は約115億円。
また、「新宿駅新南口ビル(仮称)」は地上33階、地下2階、建物高さ約170mで、世界最大級のターミナル駅であるJR新宿駅と直結した高層複合ビル。高規格で環境性能にも優れた賃貸オフィスや、ファッションから食まですべてのジャンルで高いトレンド性をもつ商業施設、また様々なイベントに利用できる多目的ホールなどの文化交流施設を展開することで、新宿駅周辺の魅力あるまちづくりへの貢献を目指す。
また、「新宿駅新南口ビル(仮称)」が新しいランドマークとなり、新宿交通結節点と合わせて地域の交流拠点となることで、新宿エリアへの新たな来街者の創出や周辺地域や商業施設との回遊性向上を目指す。
さらに、建物の外壁に省エネ性能の高いLow-e複層ガラスを用いたダブルスキン構造を採用するとともに、LED照明や太陽光発電、地域冷暖房も導入する。合わせて、屋上への緑化やみどりあふれる回廊等の整備を行うことで、地球環境に配慮した建物を目指す。また、制振構造を採用することで、地震に対する安全性を確保する。
具体的には、地上6~33階では高規格で環境性能も優れた賃貸オフィスを提供する。1フロア基準階面積約2,100m2(約630坪)、天井高3,000mmのゆとりある大規模な整形・無柱のオフィス空間を提供する。地上1~5階には、これからの新宿に求められる新しいライフスタイルを提案するファッション店舗やレストランを配し、周辺施設との相乗効果による街のさらなる活性化に取り組む。また、新宿交通結節点の上部5~7階に約300人規模の多目的ホールや屋外広場、さらには「HAPPY CHILD PROJECT」の一貫として子育て支援施設等を展開する。
「新宿駅新南口ビル(仮称)」は、事前工事を今年9月から行い、2013年9月に本体工事着工、2016年春の完成を予定している。