【話題】10月のIMF世銀年次総会と衆院解散の関係

2012年9月3日 10:52

■48年ぶり日本開催、過去最大級の国際会議

  10月12日~14日の3日間、東京でIMF(国際通貨基金)と世界銀行の年始総会が開催される。日本での年次総会の開催は1964年9月以来48年ぶりで、世界188の加盟国から財務相、中央銀行総裁、民間金融機関の経営幹部ら約2万人が参加し、日本でも過去最大級の国際会議となる。なお財務省は6月29日に、IMF・世界銀行年次総会開催記念の千円銀貨(販売価格8000円)の発行を発表している。

  今回の主要テーマとしては、世界経済の見通し・政策課題、財政リスクと金融安定、ユーロ圏の安定強化、アジア圏の新しい成長モデル、新興国の成長と格差是正の両立、IMFの資本・組織改革などが挙げられ、中でもIMFの資金拡充が焦点となる重要な国際会議である。日本政府はIMF・世界銀行と共同で10以上のセミナーを開催し、仙台で防災に関する国際会議を開催する予定だ。さらに世界経済の状況次第では、緊急のG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議が開催される可能性もあるようだ。

■「記念の1000円銀貨」発行、総理出席に意欲も

  あくまでも噂の域を出ないが、野田佳彦首相は48年ぶりに日本で開催される今回のIMF・世界銀行の年次総会に、日本の内閣総理大臣として出席したい意向を持っているとされ、それまでは何が何でも衆院解散や内閣総辞職に応じないのではないかとされている。過去にもG20首脳会議(サミット)への出席にこだわって辞めない内閣総理大臣がいたようだが、同じようなことかもしれない。

  8月29日の参院本会議で野田佳彦首相への問責決議を可決したことで、国会は9月8日の会期末を待たずして事実上終了し、政局の焦点は9月21日の民主党代表選と9月26日の自民党総裁選に移っている。民主党代表選と自民党総裁選の結果次第では波乱の可能性もあるが、衆院解散・総選挙の時期については、10月に召集が予想される臨時国会に持ち越されたとの見方が有力になっている。野田佳彦首相がIMF・世界銀行年次総会に内閣総理大臣としての出席にこだわるとすれば、やはりIMF・世界銀行年次総会終了後の10月衆院解散・11月総選挙(あるいは内閣総辞職)というスケジュールになるだろう。その場合は解散前に赤字国債発行法案を成立させるかどうかも焦点になりそうだ。

  なお、IMF・世界銀行年次総会は日本で開催される過去最大級の国際会議であり、世界188の加盟国から約2万人が参加し、東京国際フォーラムや帝国ホテル <9708> を主会場として、大小合わせて200以上の会合が開かれる。10月になれば関連銘柄として、宿泊や会合場所となる都内の主要ホテルに加えて、警備関連のALSOK <2331> 、セコム <9735> 、CSP <9740> など、選挙関連のマクロミル <3730> 、もしもしホットライン <4708> 、ムサシ <7521> などが話題となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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