【話題】働く人1ヶ月で3万人減少、遅れる失業率改善

2012年9月2日 10:12

■専門性の高い優秀な人材を紹介する人材ビジネスが脚光を浴びそう

  総務省が31日発表した7月の完全失業率(季節調整値)は4.3%で前月比横ばいだった。完全失業者数は282万人で前月比1万人増加し、就業者数は6269万人で前月比3万人減少した。一方で、厚生労働省が同日発表した7月の有効求人倍率(同)は0.83倍となった。前月比0.01ポイント上昇して14カ月連続の改善となった。

  製造業の新規求人数が減少し、雇用のミスマッチも影響して失業率改善は遅れているようだが、企業が必要とする人材に対しては、企業の採用意欲が後退しているわけではない。ネット・SNS・ゲーム関連の企業は、スマートフォン対応の開発を強化するため、国内外で技術者やクリエイターの大量採用を継続している。ドラッグストアや調剤薬局は薬剤師の確保に躍起となっている。自動車、電機、IT関連などは業績悪化の状況でも、技術者やグローバル展開に必要な人材の確保に懸命である。医療・介護サービス関連では、看護師や介護士の不足が慢性化して事業拡大のネックになっている。

  一方で29日には、60歳の定年後も希望者全員を雇用することを企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法が成立した。2025年度には65歳までの雇用が義務付けられることもあり、コスト負担増や生産性低下懸念などで、企業の新規採用は高い専門性を持つ優秀な人材に絞らざるをえなくなるだろう。雇用のミスマッチは改善せず、失業率の改善も遅れそうだ。

■クリーク・アンド・リバーなどが有望

  こうした状況では、国内外を問わず優秀な人材を確保して企業に紹介する人材ビジネスが脚光を浴びそうだ。専門性の高い分野や人材不足感の強い分野のビジネスが特に有望になり、関連銘柄としてはジェイエイシーリクルートメント <2124> 、パソナグループ <2168> 、エスエムエス <2175> 、テンプホールディングス <2181> 、学情 <2301> 、エムスリー <2413> 、ヒューマンホールディングス <2415> 、WDBホールディングス <2475> 、アルプス技研 <4641> 、クリーク・アンド・リバー社 <4763> 、エン・ジャパン <4849> などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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