品質とコストでより良い「ものづくり」。製造業銘柄=田北知見の銘柄ウオッチ

2012年8月31日 15:44

  先日、小さな買い物があり、インテリア関係のショールーム兼ショップへ行った。郊外店で、平日昼間だったためか、店内はどことなくガランとしており、あまりお客の姿も見られなかった。そのお店で取り扱っているのは中高級品や輸入品が中心なので、「リーズナブルな商品が求められる昨今、商況はきびしいのかな?」と思った。

  しかし、私の担当をしてくれた係のかたのお話を聞くと、実はわりと景気が良いのだと判明した。そのかたは寝具関係の担当で、そのお店で取り扱っているのは国内の大手や老舗企業の商品とか、ヨーロッパからの輸入品。メーカーとの共同開発による品質へのこだわりと、品質のわりには価格をかなり抑えた商品を多く出しているそうだ。そして、お客にジックリその良さを説明すると、納得して買っていただけるのだという。

  また、接客や配送、各種サービスも充実しているため、そのあたりも信頼を得ているようだった。ちなみに、帰ってからその会社の業績予想や実績を見たところ、実際に好業績であることが判った。客層を選び、薄利多売ではない独自のビジネスモデルを構築したことで成功しているのだろう。

  つねにより良い物を開発し、高品質の物を、コストを抑えて製造・販売する。日本の企業では、寝具をはじめとして、多くの商品分野でそれが行なわれているんだなあ、と改めて実感したのだった。やはり日本のものづくりはスゴイと思った。製造業銘柄をウォッチしてみた。

★島津製作所 <7701> (東1)

  分析・計測機器の島津製作所 <7701> (東1)を入れる。31日終値は10円安の544円。単位1000株。PERは約13.4倍、PBRは約1倍となっている。株価は3月28日につけた年初来高値755円から反落し、中期で続落トレンド。8月6日に今期2013年3月期連結業績予想の下方修正を発表したこともあり、同29日には年初来安値537円まで売られた。しかしチャート的には550円フシにあたり、そろそろ反発のタイミングと見たい。今期連結業績予想は下方修正したとはいえ、前年比では増収増益、とくに純利益は同32.1%増の120億円を見込んでいる。ひとつのフシであり、26週移動平均線でもある、650円ラインまでの戻りを目指す。

★ニコン <7731> (東1)

  カメラが有名で、半導体露光装置、双眼鏡、超解像顕微鏡、メガネレンズなども扱っているニコン <7731> (東1)を入れる。31日終値は69円安の2152円。単位100株。PERは約14.4倍、PBRは約2倍となっている。チャートは8月9日につけた直近安値2001円を底にジリ高トレンドを形成中。トレンド維持で2400円フシまでの戻りを目指す。

  業績は堅調で、今期2013年3月期連結業績予想は下方修正したものの、売上高は1兆0200億円(前年比11.0%増)の2ケタ増収を、営業・経常・純利益も同増益を見込んでいる。『会社四季報』には、次期2014年3月期も増収増益との予想値が出ている。大口株主には信託口、外資、生保、損保、都銀、信託銀行などが並んでおり、こうした面からも手堅い印象を受ける。(執筆者:田北知見 株式ジャーナリスト・日本インタビュ新聞社IR記者)

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