川崎重工がNYニュージャージー港湾局向け新型電車350両納入完了

2012年8月31日 11:00

 米国では現在、北東回廊の都市交通やアムトラックをはじめとする都市間交通の既存車両置き換えや輸送力増強に関するプロジェクトが大幅に増加することが予想されている。

 そのような中、川崎重工は同社の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc.(ニューヨーク州ヨンカース市)を通じて、 ニューヨーク・ニュージャージー港湾局ハドソン横断公社(PATH:Port Authority Trans-Hudson Corp.)向け新型電車(PA-5)350両の納入を完了した。

 完納した新型電車は、2005年5月に受注した340両と、2010年8月に受注した10両のオプション契約を合わせた合計350両のPA-5電車で、ニューヨークとニュージャージーを結ぶ通勤路線で営業運転されるもの。車両構体製作をリンカーン工場(米国ネブラスカ州)で、機器取付け・艤装など最終組立と各種試験をヨンカース工場(米国ニューヨーク州)でそれぞれ行い、PATHに納入している。

 同社は1984年にPATHから初めて電車(PA-4)95両の製造と、既存の電車(PA-1、PA-2、 PA-3)248両のリハビリ(寿命延長のための改修工事)を受注し、遂行してきた。今回の新型電車の引き渡しにともない、既存の電車(PA-1、PA-2、PA-3)は老朽化のため順次廃棄されることから、今回の完納によりPATHが保有する電車はすべて同社製に置き換わることになるという。

 PA-5電車は、ステンレス車体に信頼性の高い制御装置や空調装置、ドア開閉装置、放送装置などを備え、安全性や快適性に配慮した車両となっている。今後も同社は、高い技術力と信頼性をもとに、環境負荷の少ない交通手段である鉄道車両を国内外に提供する構えだ。

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