ダイキンが米国住宅用空調大手「Goodman社」買収

2012年8月30日 11:00

 ダイキン工業が、米国の住宅用ユニタリエアコン(全館空調機)のリーディングメーカーであるGoodman社を買収すると発表。買収価額は総額37億ドル(1ドル=80円換算で2960億円)で、現時点で定量化できる範囲での初期的試算では、買収完了後の3年間で累計約240億円(営業利益ベース)のシナジー効果を見込んでいる。

 Goodman社は、北米住宅用空調分野でトップシェアの空調メーカーで、最大規模の販売網を持つ。製品では、北米で主流であるダクト式の住宅用ユニタリ空調機・燃焼暖房機器や業務用空調機に強みを持ち、約600万台の住宅用空調市場や、業務用空調市場で高い成長性を維持しているという。一方、ダイキン工業は、ルームエアコン・パッケージエアコン・ビル用マルチエアコンなどのダクトレス空調や大型のアプライド空調など幅広い商品群を持つ総合空調メーカーで、環境対応・省エネや快適性を追求する独自の技術力を活かし、高品質、高付加価値の空調機の開発を得意としている。

 ダイキングループは、これまで米国空調市場で、ダクトレス空調のルームエアコン、ビル用マルチエアコンと、大型のアプライド空調を中心に事業を展開。今回の買収によりダクト式の住宅用空調・業務用空調市場に本格参入し、世界最大の空調市場において、ダクトとダクトレス空調に燃焼・ヒートポンプ暖房をあわせ持つ品揃えで一気に売上拡大を目指すという。さらに、Goodman社の持つローコスト経営ノウハウを、新興国・ボリュームゾーンの市場に展開するとともに、先進国を含めたグループ全体の収益体質の改革に取り組むことで、一層の競争力向上を図る。

 160億ドルと世界最大の空調機器市場である米国において、80億ドルと大部分を占める住宅用空調市場・20億ドルの中規模ビル向け業務用空調市場。こうした中で、高効率かつ低コストの省エネ機の導入や、Goodman社の強力な販売網は、10年間で累計約2500億円という目標をどこまで現実のもとの出来るのであろうか。

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