電通、流行の先読みサービス「電通トレンドソナー」を開発

2012年8月28日 12:00

 電通は27日、電通パブリックリレーションズ(電通PR)および電通マーケティングインサイト(DMI)と共同で、高感度な消費者へのリサーチ、有識者・専門家へのヒアリング、ソーシャルメディア上での口コミ分析を組み合わせることにより、様々なカテゴリーにおけるこれからの流行の兆しをレポーティングするサービス「電通トレンドソナー」を開発したと発表した。

 昨今、トレンドやブームは、企業やメディアによって発信されるものだけでなく、情報感度や発信意欲の高いアクティブな消費者を起点に口コミが発生、伝播することで作られるケースが増えてきている。こうした状況を踏まえ、電通グループ3社は、各社の知見やノウハウを組み合わせることで「電通トレンドソナー」サービスを開発した。

 具体的には3つのステップで作業を行う。まず、DMIが消費者の情報感度などのこれまでに蓄積してきた知見、および様々なカテゴリーにおける高感度な消費者のネットワーク「Antennaor(アンテナー)」を活用し、流行の兆しの候補群を抽出する。

 次のステップでは、「Antennaor」から抽出された兆しを精査すべく、電通や電通PRが有する有識者・専門家ネットワーク「Valuator(バリュエーター)」へのヒアリングを行う。ヒアリングと精査の作業は、グループ独自のフレームワークにクライアントのニーズを組み込んで設計する。

 最後のステップでは、「Valuator」によって精査された兆しに関するソーシャルメディア上での口コミ動向をチェックする。電通グループは2005年から「電通バズリサーチ」の提供を開始するなど、業界に先駆けてソーシャルリスニングのノウハウを蓄積してきたが、今回のサービスではそうしたソーシャルメディア上の口コミ分析におけるノウハウを生かし、定量(どれほど盛り上がってきている兆しなのか、これから盛り上がっていく兆しなのか)と定性(どんな盛り上がり方をしている兆しなのか、その兆しに関わるソーシャルメディア上の生声はどういったものか)の両面で、トレンドやブームを可視化する作業を行う。

 「電通トレンドソナー」の活用例としては、「海外で販売されている商品に関する国内での流行の兆しをいち早く発見し、商品開発や販売戦略立案の材料にする」、「流行の兆しが顕在化しつつある競合商品の消費者インサイトを把握し、『Valuator』の意見を合わせて、対抗戦略立案の材料にする」などが考えられるという。

 電通は、「電通トレンドソナー」を通して得られた流行の兆しに関するインサイトついて、DMIが有する調査手法を用いてさらに深掘りする、あるいは電通PRが流行の兆しを活用してPR展開のサポートを行うなど、電通グループ全体でクライアントに広がりのあるソリューションを提供していく。

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