【話題】整備新幹線着工で鉄道関連株浮上

2012年8月21日 11:55

  国土交通省が6月下旬に着工を正式認可した整備新幹線のうち、九州新幹線・長崎ルートの諫早~長崎間の起工式が18日行われた。工事が始まることで、整備新幹線関連が株式市場での刺激材料となりそうだ。

  国土交通省が着工を新たに正式認可した整備新幹線3区間は、九州新幹線・長崎ルートの諫早~長崎間、北陸新幹線の金沢~敦賀間、北海道新幹線の新函館~札幌間で、開業予定としては諫早~長崎間が2021年度末ごろ、金沢~敦賀間が2025年度末ごろ、新函館~札幌間が2035年度末ごろを目指すとしている。九州新幹線・長崎ルート、および北陸新幹線では、一部区間で在来線を利用するため、車輪の間隔を変えて相互乗り入れできるフリーゲージトレイン(FGT=軌間可変電車)を導入する模様だ。

  事業費は諫早~長崎間が2100億円規模、金沢~敦賀間が1兆1300億円規模、新函館~札幌間が1兆6700億円規模で、3区間合計の総事業費は3兆円を超える見込みである。建設資材価格の上昇分を含んでいるとはいえ、1年ごとの支出額を抑えるためとして、各区間の工期を類似事業に比べて長く取っているため、結果的に総事業費はさらに膨らむ可能性があるだろう。

■ゼネコンなど工事、トンネル、橋梁、軌道、信号、車両関連に狙い

  整備新幹線の新たな区間の着工認可は、自民党政権時代の2008年3月に認可された九州新幹線の武雄温泉~諫早間以来、約4年ぶりで民主党政権としては初めてとなる。財源難の状況下で「次期衆院選を睨んだバラマキ政策」との批判があり、事業の採算性や経済波及効果に対して疑問を投げかける見方もあるようだ。

  しかし、着工が正式に認可されたことで、ゼネコンをはじめとする鉄道工事関連、鉄道トンネル・橋梁関連、鉄道軌道関連、鉄道信号関連、鉄道車両関連などの業界にとっては恩恵となるだろう。さらに、JR東海 <9022> が建設計画を進めている「リニア中央新幹線(東京~大阪間は2045年度の開業メド)」も、2014年度の着工を目指しており、合わせて材料視される可能性があるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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