株主と役員は一蓮托生!!サン電子は自己株式処分を織り込み高値肉薄=浅妻昭治
2012年8月20日 11:52
【浅妻昭治のマーケット・トーク】
サン電子 <6736> (JQS)は20日、11円高の511円まで上げて反発し、8月17日につけた年初来高値519円に肉薄している。同社株は、今年8月7日に発表した同社役員を対象にした自己株式処分(処分価格457円)を嫌い432円と下ぶれたが、織り込み済みとしてV字回復が続く今3月期業績を見直し割安株買いが再燃、同社役員と株主の利害関係が一致、一蓮托生となっていることを証明している。
自己株式処分は、株主と同社役員が利害関係を共有することで株主価値の最大化を意識、同社の成長と企業価値の向上を図ることを狙いにしている。9月7日払い込みで同社役員などに1万6900株に自己株式を処分する。
一方、同社は、パチンコ関連の制御基板やホールシステム事業、連結子会社が展開するモバイルでデータトランスファー機器を主力事業としているが、今3月期業績は、パチンコ向け制御基板が順調に推移しているほか、パチンコホール向けのトータルコンピュータシステムも回復して営業利益が黒字化、さらにイスラエルの連結子会社のモバイル機器も好調に推移していることから好調に推移。今年8月7日開示の今3月期第1四半期(1Q)純利益は、5億2500万円(前年同期は2300万円の黒字)とV字回復、期初予想の今期第2四半期(2Q)累計純利益2億7000万円をオーバーした。
2Q累計・3月通期業績は、期初予想を変更しなかったが、それでも3月通期純利益は、6億円(前期比2.8倍)と大幅続伸を見込んでいる。
株価は、1Q好決算で490円とストップ高したが、自己株式処分を嫌って急落、この安値から年初来高値まで買い直された。PERは8倍台、PBRは0.5倍と割安であり、上値追いに弾みをつけよう。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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