【銘柄診断】武田薬品は2010年問題からの低迷相場脱出へ、9月中間へ配当取りの流れも

2012年8月16日 15:03

  武田薬品工業 <4502> は、5月14日の3225円をボトムに着実な水準切り上げの動きを見せている。3月26日の3790円高値を前に一呼吸入れているところだが、利食いの売り物が着実に消化され、値動きは抜群の強さを見せており、いよいよ大型薬品が期限切れとなった2010年問題からの脱却相場入りが見え始めたようだ。

  今2013年3月期の第1四半期決算は7月30日に発表され営業利益は625億円と前年同期比46%の大幅減益に見舞われた。「アクトス」の米国特許満了の影響や研究開発費の増加が減益要因。ただ、株価への影響は見られず、むしろその後は水準を切り上げる動きとなっている。

  昨年7月にスイスの製薬企業ナイコメッド社を買収したが、その結果同社の事業展開地域は28カ国から約70カ国へと飛躍的に拡大した。武田が強みを持つ日本および米国の事業に、ナイコメッド社が自社販路を有する欧州と高い成長を続ける新興国の事業基盤が加わったことになり、これにより高血圧症治療剤「イダービ」や逆流性食道炎治療剤「デクスラント」、2型糖尿病治療薬「ネシーナ」などの新製品群は、販売可能地域が拡大することで製品としてのポテンシャルが高まったと言える。

  配当利回りは4.9%と、依然高い。9月の中間配当に向け、権利取りの動きが活発化する方向が予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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