近鉄グループの近畿日本ツーリストとクラブツーリズムが経営統合

2012年8月10日 23:22

 近畿日本鉄道(近鉄)の関連会社である近畿日本ツーリストと、近鉄の子会社であるクラブツーリズムは10日、本日開催の両社取締役会において、2013年1月1日(予定)を効力発生日として、近畿日本ツーリストを株式交換完全親会社、クラブツーリズムを株式交換完全子会社とする株式交換により、両社の経営統合を行うことを決議し、両社の間で株式交換契約を締結したと発表した。

 また、近畿日本ツーリストは、同日開催の取締役会において、新たに子会社を設立し、近畿日本ツーリストおよび新設する子会社を当事者とする会社分割(吸収分割)により、2013年1月1日(予定)を効力発生日として持株会社体制に移行することも決議した。これに伴い、近畿日本ツーリストは定款の一部を変更し、2013年1月1日(予定)付で「KNT-CTホールディングス株式会社」に商号変更し、近鉄の子会社として旅行事業を担っていく。

 具体的には、持株会社体制への移行は、近畿日本ツーリストを株式交換完全親会社とし、クラブツーリズムを株式交換完全子会社とする株式交換により、クラブツーリズムの全ての発行済普通株式を近畿日本ツーリストが取得する。株式交換に係る株式の割当比率は、クラブツーリズムの普通株式1株に対して、近畿日本ツーリストの普通株式8,500株となる。

 また、会社分割(吸収分割)により、近畿日本ツーリストの団体旅行事業および個人旅行事業に関する権利義務を新たに設立する新会社に承継させる。さらに、経営統合の効力が生ずることを条件として、近畿日本ツーリストはその商号を「KNT-CTホールディングス株式会社」に変更する予定。なお、クラブツーリズムの商号は変更しない。

 両社ともに経営課題を抱える状況下、今回の経営統合は、近畿日本ツーリストが持つブランド、強力な営業力と販売ノウハウ、ネットワークなどの強みと、クラブツーリズムが持つ会員組織化によるマーケティング力や優れた商品企画力、無店舗販売によるローコスト経営などの強みを最大限活用することで生まれるシナジー効果により、全国各地の地域観光振興事業やビジット・ジャパン事業などの新たなビジネスチャンスを確実に獲得し、他社グループにはない旅行事業のビジネスモデルを構築していくことを目的としたもの。

 なお、近畿日本ツーリストとクラブツーリズムは今後共同で積極的に事業展開を行っていく予定だが、事業分野別の収益構造および責任体制を明確にするという観点から、近畿日本ツーリストの旅行事業を団体旅行事業を営む会社と個人旅行事業を営む会社の2社に会社分割したうえ、持株会社の下で、団体旅行事業、個人旅行事業およびクラブツーリズムによるメディア型旅行事業の3事業を中心にグループ経営管理体制を構築する。旅行事業を取り巻く厳しい経営環境に鑑み、持株会社では経営戦略および目標を明確に定め、ビジネスプロセスの改革やIT投資の効率化などを推し進め、的確な経営判断および機動的な意思決定を行っていく考え。

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