【銘柄診断】川崎汽船には個人投資家の買い急増も公募の打ち返し玉もあり上値は重い

2012年8月9日 14:08

  川崎汽船 <9107> はアジア発北米向けのコンテナ運賃が上昇している伝えられたことを手掛かりに底値圏から再浮上の兆しを強めてきた。

  そうしたこともあって今2013年3月期の第1四半期業績発表の7月31日に、9月中間決算について営業利益20億円を50億円(前年同期183億円の欠損)へ引き上げた。これは一部の船舶につき、従来採用の耐用年数より長期間の使用が見込める事が判明したため、耐用年数を変更したことによるものという。

  今3月期通期の営業利益も従来の200億円から270億円へ引き上げられた。しかし、通期の見通しについては7月2日に160億円から200億円に引き上げられたばかり。短期間の間にこれだけ業績見通しが大きく動くようだと、投資家の判断は難しいものになってしまう。その個人投資家はこの調整局面を積極的に拾い、直近8月7日申込み現在では信用買い残は4133万株にまで膨らんできた。

  一方、信用売り残は281万株の低水準。ファイナンス発表直後の7月13日申し込み現在では一気に4284万株にまで急増、仕手化への期待が高かった。しかしその後の急減振りを見ると、公募引き受けの向きのつなぎ売りが大部分で、買い方が取り残されてしまった格好。

  発行済み株式数が26%もの希薄化となる今回の大量公募増資の価格は125円に決定している。需給は戻れば売りが出てきそうな状況だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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