三菱航空機、MRJエンジンの最終組立を愛知県で実施 三菱重工が担当

2012年8月9日 13:02

 三菱航空機は9日、国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」用のPurePower PW1200Gエンジンの最終組立と領収運転試験を、愛知県にある三菱重工業名古屋誘導推進システム製作所(小牧市)で実施することを決定したと発表した。

 米プラット・アンド・ホイットニー社が開発する同エンジンは、量産段階に入ると、名古屋誘導推進システム製作所での最終組立を経て、県営名古屋空港横に新しく構築されるMRJ最終組立ライン(三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所 小牧南工場)で機体に搭載される。

 MRJのエンジンPurePower PW1200Gは米国で開発されているが、三菱重工業が最終組立を実施することにより、機体、エンジンともに三菱航空機が本社を構える愛知県で製造し、世界へ出荷することになる。

 三菱重工業は、これまでもプラット・アンド・ホイットニー社の大型ジェットエンジンPW4000のほか、International Aero Engines社のV2500や、英ロールス・ロイス社のTRENT1000などの事業にも参画する経験を有する。今回、機体・エンジンとも最終組立を三菱重工業が実施することにより、三菱航空機と三菱重工業の間で緊密で柔軟な生産体制が構築されることが期待される。なお、エンジンの開発進捗は順調に推移しており、PW1200Gエンジンは4月30日より開始した第1期飛行試験プログラムを6月21日に成功裏に完了したばかり。

 三菱航空機の江川豪雄社長は、「MRJエンジンは第1期の飛行試験も完了し、開発が順調に進んでおり、心強い限り。エンジンの最終組立も愛知県で実施することになり、我々もMRJ量産に向けての準備を整えると同時に、飛行試験を予定通り進めることに万全を期す」とコメントしている。

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