スズキが2種類の低燃費化技術を開発、新型ワゴンRに搭載で燃費28.8km/L

2012年8月9日 11:48

 スズキは9日、燃料消費を抑制し燃費向上に貢献する技術として、減速時エネルギー回生機構「ENE-CHARGE(エネチャージ)」と、蓄冷材を通した冷風を室内に送る「ECO-COOL(エコクール)」を開発したと発表した。

 スズキは、エンジン停止速度の見直しや適切なタイミングでのエンジン再始動などさらに制御を進化させた新アイドリングストップ機能に「ENE-CHARGE」と「ECO-COOL」を組み合わせることで、加速性・快適性を高めながら低燃費を実現する技術を、9月に発売予定の「新型ワゴンR」に軽自動車で初めて搭載する。

 「ENE-CHARGE(エネチャージ)」は、既存のアイドリングストップ車専用の鉛バッテリーに加え、リチウムイオンバッテリーと高効率・高出カのオルタネーターを併用したスズキ独自の減速エネルギー回生機構で、減速時の運動エネルギーを電気に変えて充電するシステム。蓄えた電気を走行に必要な電装品に供給することで、発電によるエンジンの負担を軽減し燃料消費を抑制する。

 また、「ECO-COOL(エコクール)」は、エアコン空調ユニットの中に蓄冷材を採用し、アイドリングストップ中の車室内に蓄冷材を通した冷風を送る機構。この冷風により室温の上昇を抑え快適性を保ちながらエンジン再始動時間を遅らせることで燃料消費抑制に貢献する。

 9月に発売予定の「新型ワゴンR」は、「ENE-CHARGE」と最適に制御した新アイドリングストップ機構の採用に加え、軽量化をはじめとした様々な低燃費化技術の投入により、軽ワゴンクラスでトップの低燃費「28.8km/L」(JC08モード:NA2WD CVT車)を実現した。さらに「ECO-COOL」の採用により、乗員の快適性を高めながらアイドリングストップ機構の効果を高めた。

 スズキは、2011年に発売した「アルトエコ」をはじめ、軽自動車の燃費技術の向上に取り組んできた。今後、軽量・低燃費のR06A型エンジンの改良、アイドリングストップ機構の強化に加え、「ENE-CHARGE」、「ECO-COOL」などの低燃費化技術を開発中の軽自動車にも積極的に採用し、低燃費で環境に配慮した商品を提供していく。

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