トヨタ、岩手県釜石市と共同で「乗り合いバス」の実証実験

2012年8月9日 10:39

 トヨタ自動車は9日、東日本大震災において被災した岩手県釜石市地域の仮設住宅地と同市市街部を結ぶ新たな交通機関として、オンデマンドバス(乗り合いバス)システムの実証実験を、釜石市と共同で今年10月から行うことに合意したと発表した。

 「オンデマンドバス」とは、利用者の要求に対応して運行する形態の交通機関で、電話等による利用者の乗降地点や乗降時刻の希望に応じ、希望乗車地点へ迎えに行く経路で運行する乗り合い交通のこと。

 同実証実験は、一般交通の便が悪い仮設住宅地において、乗客需要に応じた柔軟な運行を行い、また復興に伴って変化する街の交通事情にも追従できるシステム構築を目指すもの。トヨタはオンデマンドバスの運行のベースとなる「オンデマンド交通システム」の提供を行い、釜石市は同市が所有する小型バスを使用し、トヨタのシステムを活用したオンデマンドバスの運行を行う予定。

 実証実験期間は2012年10月から2015年3月までとし、運行地域は釜石市の北部と市街部の区間を計画している。トヨタは、同システムを他の地域にも展開し、交通の不便な地域での生活の改善に寄与することを目指していく。

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