食糧問題を解決する鍵は「昆虫」と「人工肉」
2012年8月8日 08:00
taraiok 曰く、 人口増や環境問題からくる食料危機は人類共通の差し迫った課題だ。それに関連してBBCに「我々は20年後に何を食べることができるのか」という記事が掲載されている。それによると英国では「肉の価格は5~7年以内に倍増する」と推定されているという(本家/.過去記事、The Voice of Russia、本家/.)。
同記事では、欧米社会は「安価で豊富なお肉で育ってきた」が、環境問題や人口増加などで肉の価格高騰が続けば、主食を肉から別のものに変える必要があると指摘している。未来食品学者のMorgaine Gaye氏によれば、肉の需要ギャップを埋める役割を果たせるのは昆虫だという。昆虫は牛よりも二酸化炭素排出量が少なく、少ない水で育てることができる。また人間が食べられると分かっているものが推定1400種以上あるからだ。同氏はコオロギやバッタは「ハンバーガーのようなもの」を作るのに役立つとしている。
世界の多くで、昆虫を食べる文化が定着している。毛虫やバッタはアフリカで人気があり、ハチは日本では珍味として重宝される。コオロギは、タイで食されている。しかし、口うるさいヨーロッパや北アメリカの人間に昆虫を食べさせられるようにするには改良が必要だとし、すでにオランダ政府は、こうした需要を見越して100万ユーロ(78万3000ドル)を投資、昆虫農場関連の法整備を進めているという。
また、インビトロと呼ばれる人口肉の研究も進められている。牛から取られた幹細胞を試験管で培養したもので、自然育成よりも、水や必要とするエネルギーが少なく、温室効果ガスの発生も少ない。初めて人口肉を作り出すことに成功したオランダMaastricht大学のMark Post教授は、将来的には本物と人口肉の「見分けがつかない」ようにしたいとしている(Academia.edu)。
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