大日本印刷、既存設備を利用して高精細な中小型向けカラーフィルターを生産
2012年8月7日 13:19
大日本印刷(DNP)は7日、第6世代および第8世代の既存設備を利用し、効率的に500ppi(pixels per inch)までの高精細な中・小型向けカラーフィルターを生産する技術を開発したと発表した。
今回、露光時の歪みを補正する新たな露光技術を開発したほか、独自に開発したレジスト材料樹脂や製造プロセスなどを組み合わせることにより、中・小型の高精細液晶ディスプレー向けカラーフィルターの生産を可能にするファイン露光システム(Fine Exposure System:FES)を開発した。
スマートフォンやタブレット端末などに搭載される中・小型の液晶ディスプレーは、需要の拡大が続くとともに、印刷物にも匹敵する解像度300ppi以上の高精細化が進んでいる。DNPは、中・小型液晶ディスプレーの需要の高まりに応え、第4.5世代や第5世代の中・小型向け設備だけでなく、テレビなど大型向け設備の第6世代や第8世代の生産ラインも活用し、中・小型向けカラーフィルターを生産している。また、今後の中・小型向けカラーフィルターの増産を見込み、既存の装置を活用して効率的に高精細化に対応できる技術開発に取り組んできた。
今回DNPは、材料や製造プロセスの開発・改善を進めるとともに、既存のステップ露光装置を改良することで、新たに大きな投資をすることなく、既存の第6世代・第8世代の製造ラインで500ppiまでの高精細な中・小型向けカラーフィルターを生産できるファイン露光システムを開発した。
DNPは、北九州市・黒崎工場の第6世代ラインに今回開発した技術の導入を完了し、既にパネルメーカーへの出荷を始めている。2012年末までには、その他の第6世代・第8世代の製造ラインにも導入し、高精細な中・小型カラーフィルターの量産体制を強化していく。