オンライン海賊行為を撲滅できると信じているのは著作権者だけ?
2012年8月6日 21:14
eggy 曰く、 New York Timesが、「Internet Pirates Will Always Win(インターネット上での海賊行為は常に勝つだろう)」という記事を掲載している。これによると、オンラインでの著作権侵害を撲滅する運動は「まるで世界最大のもぐら叩きゲームの様相を呈してきた」とのこと。/.の読者からすれば驚くことでもないだろうが、ようやく主流マスコミも海賊行為の取締がいかに効果がないかに気がつき始めたようだ。もはや、著作権侵害防止法の効果を信じるのは、著作権所有者だけになっている(本家/.、The New York Times記事)。
たとえば今年の始め、海賊行為を行う大手BitTorrentトラッカーサイト「Pirate Bay」が各国で遮断されることとなったが、その報復としてPirate Bayがサイト全体のデータを1ファイルに圧縮し、無料でダウンロードできるようにしてPirate Bayのサーバで提供した。結果として、Pirate Bayという大きなサイトを潰したつもりが、何百という新しいバージョンの海賊サイトを生むはめになってしまった。このように、どんなに法律で海賊行為を取り締ろうとしても、人々は次々と迂回する方法をみつけて結局は欲しいコンテンツを入手してしまう。
その顕著な例が、Pirate Bay上でダウンロード件数が最も多いテレビ番組の「Game of Thrones」だという。この番組はケーブルテレビで視聴されている以上に違法にダウンロードされてしまっている。この番組のように、オンライン上で提供されていないものほど違法ダウンロード件数が多くなる傾向がみられるという。Fight for the FutureのHolmes Wilson氏によれば、「大手メディア企業は、本気で海賊問題を解決しようとしているとは思えない」とのこと。
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