お盆前のひと稼ぎ相場=犬丸正寛の相場展望
2012年8月3日 17:50
■海外、国内とも手がかり材料難、好業績を個別物色
来週(6~10日)は、『お盆前のひと稼ぎ場面』となりそうだ。来週で発表がほぼ一巡する3月期決算会社の4~6月・第1四半期決算の中で好業績銘柄を物色する展開が予想される。
全般は大きくは動けない。海外材料は手がかりに乏しい。注目された欧州中央銀行によるユーロ不安対策は具体性に乏しかった。問題の根深かさが印象付けられる結果となった。週末にはアメリカの7月雇用統計が発表となる。芳しいものではなさそうだ。GMの大幅減益も伝えられるなど企業業績にも陰りがみられる。欧州経済不振の影響がアメリカの実体経済にも波及し始めたようだ。当然、アメリカは景気テコ入れのため金融面での政策は期待されるものの8月中は具体的なものはなさそうだ。
欧州経済不振は、日本の輸出企業にも影響がみられる。輸出比率の高い企業の業績は総じて良くない。とくに、まだ堅調な新興国の経済にどのていど影響が出るかが注目される。
国内の政局が不透明なこともマーケットにおいて手が出し難しい状況となっている。参議院での消費税等の採決をめぐって与野党対立は激しくなっている。解散総選挙ということになれば、新政権・新政策を期待する展開も予想されるものの、低支持率のまま現政権が粘れば白けムードが強まりマーケットは見送りとなるだろう。
お盆休み、夏休み、オリンピックなどを考えると、相場が元気のよいのも前半までで、後半は見送り気分が強まりそうだ。
日経平均は4月以降、13週線に沿った形で上値を切り下げる展開が続いている。もちろん、26週線を上抜くことは難しい。今後も、少なくとも8月中は13週線に頭を押さえられる動きだろう。ただ、6月4日の安値8238円を割り込むような下げもないものとみられる。
猛暑の続く中で中小型の好業績銘柄を物色する展開になるものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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