日立、広範囲の放射線測定が可能な「ガンマカメラ」新製品を受注開始
2012年8月2日 18:58
日立コンシューマエレクトロニクスは2日、「ガンマカメラ(放射線測定装置)」の使い勝手と測定精度を大幅に向上した新製品を開発し、本日より受注を開始すると発表した。
日立は、今年3月下旬より、放射性物質が放射するガンマ線の線量を測定した結果とカメラで撮影した映像を重ね合わせ、放射線量の高低を色分けして確認できる「ガンマカメラ」の販売を開始した。その後、福島県内を中心に測定を実施しながら、自治体などで除染活動に関わる人々や放射線測定の専門家から放射線測定装置に対する要望や同社製品への改善提案等についてのヒアリングを重ねてきた。そして今回、これらのヒアリング結果を反映し、GUI(Graphical User Interface)の改善による操作性の向上や、距離補正の性能向上、小型化、位置情報(GPS情報)への対応を実現した新製品を開発した。
今回開発した装置では、距離測定をマルチスキャン化し、放射線検出エリアの全256ピクセルの各ピクセル毎に距離を測り、補正処理を行なうことで、より一層精度の高い測定データが得られるようになった。また、従来製品では測定者が測定ノウハウで得た知見により測定終了時間を見極めていたが、今回の装置では測定環境に応じて自動的に判断し、測定終了までにかかる時間を画面上に表示するほか、バッテリー残量も表示するなどGUIを改善している。
その他にも、日立指定の「USB接続GPSレシーバ」(NMEA対応品)を取り付ければ放射線測定データと共にGPS位置情報が記録されるため、除染活動前後のデータ管理に役立つ。さらに、従来製品と比べて容量約30%減の小型化を実現し、除染現場での使いやすさを向上している。