伊藤忠などがLiB用材料を取り扱う「KBMJ社」に資本投入
2012年8月1日 11:00
クレハ・伊藤忠商事・クラレ及び産業革新機構(INCJ)が、クレハの子会社でリチウムイオン二次電池用材料を取り扱うクレハ・バッテリー・マテリアルズ・ジャパン(KBMJ社)に対し、新たにクラレ及びINCJが資本参加の上、4社合わせて最大約200億円の資本投入を行うと発表。KBMJ社の成長を一層加速させるという。
KBMJ社は、LiB用ハードカーボン負極材「カーボトロンRP」の製造・販売及びLiB用バインダーの販売を行うことを目的とし、2011年10月1日に営業を開始したクレハと伊藤忠商事の合弁会社。また、2011年12月には、クレハとクラレは植物由来原料のLiB用ハードカーボン負極材「バイオカーボトロン」の共同事業化に向けて合意していた。こうした協議に加え、KBMJ社の株主として新たにクラレ及び革新性を有する事業への成長資金の供給を目的とするINCJが参画し、KBMJ社は財務基盤の強化を図りつつ成長を更に加速させていく。
KBMJ社は、今後約2年間、第三者割当増資により伊藤忠商事、クラレ及びINCJに対しては普通株式を、加えてINCJに対しては無議決権優先株式を発行することにより、最大約145億円を調達予定。また、クレハも戦略的パートナーへの第三者割当増資と同タイミングでKBMJ社の普通株式を最大約55億円引き受けることに合意しており、KBMJ社は合わせて最大約200億円の資本調達を行うこととなる。この調達資金は、主にLiB用ハードカーボン負極材「カーボトロンRP」及び「バイオカーボトロン」の大規模で安定的なグローバル供給体制を構築するための設備投資に充当される予定。
家庭用蓄電池や電気自動車などに欠かせないリチウムイオン二次電池。その性能向上は、こうした産業の振興に寄与するものである。家庭用蓄電池や電気自動車などで世界を牽引するためにも、今回の様な協業がもっと活発に行われることを期待したい。