エニグモは急反発、7月IPOは初値高倍率もセカンダリーでは主力株の株価動向とシーソーゲーム=浅妻昭治

2012年8月1日 10:20

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  エニグモ <3665> (東マ)は1日、230円高の4680円まで上げて急反発している。同社株は、今年7月24日に公開価格1750円でIPO(新規株式公開)され、公開価格を2.3倍上回る4030円で初値をつけ、今年3番目の高初値倍率となり、初値後のセカンダリーでも、全般相場の波乱で逆に直近IPO人気を高め、個人輸入代行サイト運営の独自ビジネスモデルを評価して3日間のストップ高を交え前日ザラ場には上場来高値4820円まで買い進まれ公開価格比2.7倍となった。

  ただ主力株が、決算発表や7月の月末のドレッシング買いで持ち直してきたのと綱引き、最高値後は利益確定売りに押された。きょう1日は、主力株が売り気配や急反落して始まっていることから、逆に直近IPO株人気を再燃し、主力株とシーソーゲームを演じている。

  7月のIPOは、同社を含めて3社となったが、3社がすべて公開価格を上回って初値をつけ、平均初値倍率は90%と前々月6月の61.2%を大きくオーバーし、昨年9月の2.1倍以来の高さとなった。

  セカンダリーも好調で、エニグモのほか7月19日IPOのワイヤレスゲート <9419> (東マ)は、公開価格1200円に対して2311円で初値をつけ、その後、上場来高値3670円まで買い進まれ、公開価格比3.0倍となった。

  全般相場の先行き不透明感からIPO人気の継続が予想されるが、8月のIPO予定は、いまのところ8月7日上場のサクセスホールディングス <6065> (JQS)1社にとどまっており、直近IPO株人気がさらに高まるかどうかは、主力株の決算動向次第となりそうだ。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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