ヤマハ、4営業所を閉鎖し東京・大阪に集約など国内事業構造改革を発表
2012年7月31日 20:34
ヤマハは、国内事業の損益を改善することによってグループ全体の収益力を強化するため、今年4月から社長をリーダーとする「国内事業構造改革プロジェクト」を組織し、国内営業・国内生産・半導体事業・スタッフ部門の今後のあり方について検討してきたが、今回その基本方針を決定し、31日発表した。
国内営業については、北海道(札幌)、仙台、名古屋、九州(福岡)の4つの営業事業所を閉鎖し、営業拠点を東京、大阪に集約する。また、楽器・音響機器の国内営業部門を分社化し、楽器の輸入・販売等を行うヤマハミュージックトレーディング、楽器等のリース・レンタル事業を行うヤマハミュージックリース、AV商品の国内販売を行うヤマハエレクトロニクスマーケティングと統合して、ヤマハミュージックジャパン(仮称、以下YMJ)とする。さらに、楽器販売および音楽・英語教室の運営等を行う小売販売子会社8社を統合して、ヤマハミュージック(仮称)とし、YMJの傘下に置く。なお、いずれの再編も2013年4月までに実施する計画。
また、国内楽器生産については、ピアノ生産部門、管楽器生産部門、電子楽器・音響機器生産部門をそれぞれ分社化し、関連会社と統合する。2014年4月までに実施する。
半導体事業については、競争力のある地磁気センサーやアミューズメント向け音源・画像、車載向け商品に集中して開発資源を投入する。また、現在国内で生産しているコスト競争力が低いデバイスは、順次海外委託生産へ切り替える。さらに、ヤマハ鹿児島セミコンダクタを高度な生産技術を要する地磁気センサーの生産工程を中心とした工場へ転換する。
そのほか、「小さな本社」を志向する中、スタッフ部門はグループ戦略立案とマネジメントの企画業務に集中し、その運用実務と事業支援業務は子会社および外部アウトソース先に移管・委託を進め、業務の効率化と品質向上に取り組む。
なお、今回の構造改革に伴い、一部の子会社で雇用調整を実施する予定。また、要員対策のため、国内営業構造改革で10億円、半導体事業構造改革で7億円の合計17億円を、構造改革費用(特別損失)として2013年3月期の業績見通しに織り込んでいる。さらに、ヤマハ鹿児島セミコンダクタの設備投資11億円を含めて合計12億円の投資を予定している。
ヤマハは、構造改革の実行により、2014年3月期には、自然減耗等も含めた人件費削減で17億円、事業の再編や業務の改善による合理化で10億円の合計27億円を効果として見込んでいる。