NASA、新型大気圏再突入実験装置を打上げ
2012年7月25日 13:15
米航空宇宙局(NASA)は7月23日、新型の耐熱シールドである膨張型大気圏再突入実験装置3(IRVE-3)を載せた小型観測ロケット「ブラック・ブラント11(Black Brant 11)」を、ワロップス飛行施設から打ち上げた。
打ち上げられたロケットは順調に飛行し、高度約463kmに達した後、IRVE-3を切り離した。放出されたIRVE-3は予定通り膨張・展開した後、大西洋に落下し、打ち上げ試験は成功した。
チームはデータ取得に成功し、実験責任者のニール・チートウッド(Neil Cheatwood)氏は「全てが順調にいきました。IRVE-3は想定通りに動作しました」と述べた。
火星に宇宙船などを着陸させる場合、宇宙船が大きければ大きいほど、より大きな耐熱シールドが必要である。しかし、現状の耐熱シールドでは、ロケットの直径に制限されてしまうため、改善が必要だった。
IRVEは従来の耐熱シールドと異なり、大気圏再突入の直前に膨張するため、打ち上げ時は小さく収納できる。今回のIRVE-3も打ち上げ時は幅約40cmだったが、打ち上げられた後、幅約3mに膨張した。
写真=NASA。
■IRVE-3: Inflatable Heat Shield a Splashing Success
http://www.nasa.gov/offices/oct/game_changing_technology/game_changing_development/HIAD/irve3-success.html
【関連記事】
・NASA、小型観測ロケット5機を打ち上げ
・JAXA、観測ロケット「S-310-40号機」を打ち上げ
・JPLの新入職員ら、小型観測ロケットを打ち上げ
・JAXA、観測ロケット「S-520-25号機」を打ち上げ
・NASA、小型観測ロケットを打ち上げ