トヨタ自動車は続落、PSAとの業務提携正式発表も今回は世界同時株安の洗礼!?=浅妻昭治

2012年7月24日 11:55

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  トヨタ自動車 <7203> は24日、寄り付き直後に8円高と反発したが、63円安の2852円と売り直され3営業日続落している。前日24日大引け後に7月19日に観測報道されたフランスのPSAプジョー・シトロエン(PSA)との業務提携を正式に発表したが、観測報道時は、海外為替相場で円高・ユーロ安が進み反応薄となり、今回は、前日に海外のフランクフルト市場などの欧州市場や米国市場で、株価が軒並み安となった洗礼を受けて、利益確定売りが先行している。

  とくに欧州市場では、スペイン国債(10年物)が、7%台を大きく超え、ドイツ国債の見通しも、「ネガティブ」に引き下げられ債務不安が強まったことが売り材料視されている。

  同社株は、今年6月25日にもドイツのBMWグループとの業務提携が観測報道され、29日に正式の業務提携強化を発表した際には好感して3260円まで上ぶれたが、対照的な株価推移となっている。

  PSAとの業務提携は、トヨタの欧州統括会社が、2013年央からPSAのプジョー「エキスパート」、シトロエン「ジャンピー」をベースにした商用バンのOEM(生産委託)供給を受けるもので、開発費と設備投資はトヨタの統括会社が応分の負担をする。トヨタとPSAは、すでにチェコで小型乗用車の合弁事業を行なっているが、今回の提携で欧州小型商用車市場で両社の競争力をさらに強化するとともに、トヨタは、一段とハイブリッド車シフトを強める。

  株価は、今3月期業績の増益転換を予想したが、市場コンセンサスを下回るとして3000円台固めが続き、為替相場が今期予想の想定レート(1ドル=80円、1ユーロ=105円)を上回る円高が続いたことで3000円大台を割った。きょう24日朝のNHKのテレビニュースでは、同社が一部の国内生産自動車のカナダへの生産移管が観測報道されたが、なお強弱感の綱引きが続こう。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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