世界の主要経済指標(分析と市場の反応)7月18日分
2012年7月19日 11:31
【7月18日の主要経済指標と市場の反応】
■18日の世界の主要株式市場は高安まちまち、外国為替市場は小動きだったがやや円高方向
18日の世界の主要株式市場は高安まちまちだった。日本は終盤に下落に転じた。中国は上海が上昇したが、香港は下落した。欧州と米国は上昇した。
外国為替市場は概ね小動きだったが、欧州の時間帯にスペイン10年債利回り上昇などでユーロ売り優勢の場面があり、ドル・円相場もやや円高方向に傾いた。
≪18日 日本≫
不動産経済研究所が発表したマンション市場動向によると、6月の首都圏マンション発売戸数は4007戸となり前年同月比16.4%増加した。契約率は78.7%となり、好不調の分かれ目とされる70%を10カ月連続で上回った。6月の販売在庫数は4996戸で前月比165戸減少、6月の1戸当たり価格は4458万円で前年同月比1.1%下落した。なお1~6月累計の発売戸数は2万746戸となり前年同期比14.0%増加した。
日本市場は下落した。主要経済指標の発表がなく、手掛かり材料難で様子見ムードも強い中、終盤に株価指数先物取引が主導する形で下落に転じた。TOPIXは9営業日続落となった。
≪18日 アジア・オセアニア≫
6月の中国主要70都市の新築住宅価格は、前年同月比では1.5%下落したが、前月比では横ばいとなった。前年同月比では4カ月連続の下落だが、前月比では8か月続いた下落に歯止めがかかった。2カ月連続の政策金利引き下げなど、成長促進を狙った政府の経済政策の効果が出ているとの見方が優勢になった。
インドの6月消費者物価指数は前年同月比10.02%上昇となった。5月改定値の同10.36%上昇に比べてやや減速した。ただし食品価格は6月が同10.71%上昇となり、5月の同10.66%上昇に比べて伸びが加速した。
アジアの主要株式市場は高安まちまちとなった。上海は上昇した。中国政府が不動産抑制策を継続するとの警戒感で不動産セクターが売られたが、中国の電力当局が本土の電力セクターを民間投資に開放する方針を示したことを好感した。マレーシア、インドも上昇した。一方で香港は下落した。6月中国主要都市新築住宅価格が下げ止まり、政策対応に対する期待感が後退して不動産株が売られた。韓国、台湾も下落した。
≪18日 ユーロ圏≫
英6月失業率は4.9%となった。5月と変わらず市場予想とも同水準だった。なおILO方式による3~5月の失業率は8.1%となり、市場予想を下回った。
スペイン中央銀行の発表によると、国内金融機関の5月融資残高に対する不良債権比率は8.95%となった。4月の8.72%に比べて0.23ポイント上昇し、94年4月以降で最高水準となった。
欧州の主要株式市場は上昇した。追加緩和に対する期待感に加えて、半導体製造装置大手のオランダ・ASML社など好調な企業決算が相次ぎ安心感が広がった。
外国為替市場は概ね小動きだったが、オーストリアの国債格付け引き下げ観測やスペイン10年債利回りの上昇などで、ユーロ売り優勢の場面があった。
≪18日 米国≫
米MBA(抵当銀行協会)の週間住宅ローン申請指数は前週比16.9%上昇した。前週の同2.1%低下に比べて大幅増加に転じた。新規は同0.1%低下したが、住宅ローン金利が過去最低水準に低下したことにより、借り換え向けが同21.6%上昇と大幅に増加した。
米6月住宅着工件数は年率換算76.0万件、前月比6.9%増加となり市場予想を上回った。5月改定値の年率換算71.1万件(70.8万件から上方修正)、前月比4.8%減少(修正なし)に比べて大幅に改善し、08年10月以来の高水準だった。一方で6月建設許可件数は年率換算75.5万件、前月比3.7%減少となり市場予想を下回った。5月改定値は年率換算78.4万件(78.0万件から上方修正)、前月比8.4%増加(7.9%増加から上方修正)だった。
米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、米経済は6月から7月上旬にかけて成長ペースが鈍化し、雇用の伸びが国内の大部分で弱かったとの認識が示された。
米国株式市場は上昇した。前日17日の取引終了後に発表した米インテルの決算をあらためて好感され、ハイテク関連株の上昇が全体を牽引した。また米6月住宅着工件数などの経済指標も支援材料となった。
外国為替市場は概ね小動きだったが、ユーロ売り・円買いの流れが波及してドル売り・円買いがやや優勢になった。バーナンキ米FRB議長の議会証言2日目に対する思惑もドル売り・円買いにつながった。主要経済指標に対する反応は限定的だった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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