キッコーマンは連日高値、「私の履歴書」連載のアノマリー通りに内需好実態株買い=浅妻昭治
2012年7月18日 10:25
【浅妻昭治のマーケット・トーク】
キッコーマン <2801> は18日、9円高の1032円まで上げて3営業日続伸し、連日の年初来高値更新となっている。同社の茂木友三郎名誉会長が、7月1日付けから日本経済新聞の最終面で、自伝「私の履歴書」を連載中で、同自伝連載中の会社は、株価が上がる、ないしは下がらないとのアノマリー(市場の変則性)通りに内需好実態株買いが増勢となっている。
業績も、前期の相次ぐ下方修正・経常減益転換から、今期は増益転換を予想、自己株式取得を実施したことや売り長で逆日歩のつく好需給もフォローしている。
前期業績は、国内の厳しい市場環境や原材料価格の上昇、法人税率変更に伴う繰延税金資産の取り崩しなどを要因に昨年11月、今年2月と下方修正が続き、経常利益は152億4200万円(前々期比9%減)、純利益は89億8300万円(同15%増)となった。
これに対して今期は、海外市場でしょうゆが2ケタ成長を続け、トップブランドの豆乳の市場拡大を図り、さらに前期下期実施の値上げ効果の浸透などから増益転換、経常利益を167億円(前期比9%増)、純利益を100億円(同11%増)と予想した。
株価は、前期業績の再下方修正で年初来安値836円まで売られたが、今期業績の増益転換予想、同時に発表した自己株式取得をテコに1000円台を回復した。
自己株式取得は、6月26日に525万9000株、49億9986万円を取得して終了したが、なお信用取組が大きく売り長にあるなど好需給思惑を強めて高値を更新した。なお「私の履歴書」連載は、7月31日まで続くだけに、なお株価を押し上げる展開も想定される。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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