マイクロソフト、次期Officeのカスタマープレビューを公開

2012年7月17日 17:55

 米マイクロソフトは16日(現地時間)、次期Microsoft Officeのカスタマープレビューを公開した。

 次期Officeは、タブレットを含む多様なWindowsデバイス上において、タッチ操作でも、ペン入力でも、マウスでも、キーボードでも快適に動作する直感的なデザインを採用する。さらに、ソーシャル機能を強化し、閲覧、デジタルノート、オンライン会議、コミュニケーションにおいて新しいシナリオを提案する。また、すべての機能はクラウドサービスを通じて常に最新の状態で提供される。

 サンフランシスコの記者発表会でマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)は、「これはマイクロソフトにとって大きな一歩だ。このクラウドサービスと統合された新しいOfficeは、これまでにない革新的で柔軟なワークスタイルを提供するとともに、Windows 8との組み合わせによりその最大化された価値を提供していく」と述べた。

 次期Officeの特徴の一つは、「Windows 8」へ最適化されていること。Officeは、キーボードやマウスと同様にタッチ操作でもスムーズに操作が可能。画面上でスワイプしたり、ピンチやズーム操作でドキュメントやプレゼンテーションを閲覧できる。また指先のタッチだけで新しいコンテンツ作成や、機能へアクセスできる。さらに、デジタルペンを使ってコンテンツを作成したり、ノートにマーカーをひいたり、コマンドへのアクセスが可能。プレゼンテーションの時にはペンを使ってレーザーポインター代わりにしたり、メモを書き込んだりできる。コンテンツに色を加えたり、修正も容易にできる。

 また、クラウド対応も強化。Officeはデフォルトでドキュメントをクラウドに保存するため、コンテンツと最新の編集内容をタブレットやPC、モバイル端末からでも確認し、利用できる。オフラインでもドキュメントを利用可能であり、インターネットに再接続した時には自動的に同期が行われる。

 Officeにサインインすることでどのデバイスからでも最新のドキュメントと個人設定にアクセスできる。職場あるいは家庭用に自分独自のOfficeプロファイルを作成できる。共用デバイスを使う時にはプロファイルを容易に切り替えることが可能。ドキュメントを開いた時にはOfficeはユーザーが最後に見ていた場所を記憶しており、1つのクリック操作でその場所に移動する。

 ソーシャル機能については、Yammerは企業向けに安全でプライベートなソーシャルネットワークを無料で提供する。Yammerは現時点でSharePointそしてDynamicsとの統合機能を提供している。また、SharePointで人、チーム、ドキュメント、Webサイトをフォローし、仕事に必要な同僚や情報と常につながることができる。アクティビティフィードにより、同僚が今何をしているかを知ることが可能。

 複数の連絡先をひとつのビューに統合できるのも特徴。連絡先カードには、プロフィール写真、最新ステータス、そしてFacebook、Twitter、LinkedInアカウントのアクティビティフィードと共に在席状況を表示する。さらに、Skypeアカウントを持っている誰に対しても、Officeを使って電話をかけたり、インスタントメッセージを送ったりできる。

 そのほか、データ損失防止 (DLP) 機能により、企業内の機密情報を誤った宛先に送信することを防止する。ExchangeのDLP機能では、メールに含まれる内容を詳しく分析することにより、機密情報を識別、監視、保護すると共に、PII及びPCIなどの法的基準に対応した組み込み型の拡張DLPポリシーを提供する。

 コンプライアンス対応として、企業のコンプライアンス担当者は、新機能であるeDiscovery(電子証拠開示)Centerを利用して、Exchange、SharePointおよびLync上のデータの検索、保持、分析を行うことができる。

 なお、サービスや製品の完全なラインアップと価格体系については秋に発表を予定している。企業向けに提供予定の新しいOffice 365 サブスクリプションサービスにはWord、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Accessなどの主要なOfficeアプリケーションが含まれている。さらに、契約者には将来のバージョンアップの権利が付与され、Officeを最大5台のPCまたはMacと最大5台のモバイル上で利用できる。

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