世界の主要経済指標(分析と市場の反応)7月13日分

2012年7月14日 16:46

【7月13日の主要経済指標と市場の反応】

■13日の世界の主要株式市場は概ね上昇、外国為替市場は小動き

  13日の世界の主要株式市場は概ね上昇した。中国4~6月期GDPがほぼ市場予想の水準だったことで、景気減速への過度な警戒感が和らいだ。日本は反応薄でほぼ横ばいだったが、アジアは概ね上昇し、欧州と米国は大幅上昇した。外国為替市場は小動きだった。

≪13日 日本≫

  5月鉱工業生産指数(2005年=100)確報値は92.2となり、前月比3.4%低下した。速報値の同3.1%低下から下方修正された。

  日本株式市場はほぼ横ばいだった。中国4~6月期GDPがほぼ市場予想の水準となったことを好感する場面もあったが、3連休前の週末だったこともあり反応は限定的だった。外国為替市場は小動きだった。

≪13日 アジア・オセアニア≫

  中国4~6月期実質GDPは前年同期比プラス7.6%成長となった。1~3月期は同プラス8.1%成長だったが、輸出の鈍化が国内生産活動に波及した。伸び率は6四半期連続で鈍化し、09年1~3月期以来の8%割れとなった。市場では大幅減速に対する警戒感を強めていたが、市場予想とほぼ同水準だったことで安心感につながった。

  中国6月小売売上高は前年同月比13.7%増加で、5月の同13.8%増加に比べてやや鈍化したが市場予想を上回った。中国6月鉱工業生産は前年同月比9.5%増加で、5月の同9.6%増加に比べてやや鈍化し市場予想を下回った。中国1~6月固定資産投資は前年同期比20.4%増加で、市場予想を上回った。

  シンガポール4~6月期実質GDPは前四半期比マイナス1.1%成長となり、プラス成長の市場予想を下回った。観光部門が伸びたが、貿易・金融サービス部門が低調だった。前年同期比ではプラス1.9%成長となり市場予想を上回った。なお1~3月期については前期比年率ベースでプラス10.0%成長からプラス9.4%成長に下方修正された。

  アジアの主要株式市場は概ね上昇した。中国4~6月期GDPが市場予想とほぼ同水準だったことで安心感が広がり、韓国、インドネシア、シンガポールなどが上昇した。ただし上海と香港は小幅高にとどまり、台湾は下落した。

≪13日 ユーロ圏≫

  日本時間13日朝、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがイタリア国債の格付け2段階引き下げを発表した。

  イタリア3年債入札で平均落札利回りは4.65%となり、6月中旬の前回(5.30%)に比べて大幅に低下した。応札倍率は1.732倍で前回に比べて上昇した。ムーディーズによる格付け引き下げの影響は限定的だった。

  欧州の主要株式市場は上昇した。イタリア3年債入札が順調だったことを好感した。中国4~6月期GDPの結果に対しては、景気減速への過度な警戒感が和らぎ、追加金融緩和への期待感につながった。外国為替市場は概ね小動きだったが、終盤はユーロ買い戻しがやや優勢になった。

≪13日 米国≫

  米6月卸売物価指数は前月比0.1%上昇となった。5月の同1.0%低下に比べて上昇に転じ、市場予想も上回った。食品・エネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇となり、市場予想と同水準だった。5月は同0.2%上昇だった。米FRB(連邦準備制度理事会)の追加緩和の余地が広がったとの見方もある。

  米7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は72.0で、6月の73.2に比べてやや低下し市場予想を下回った。市場の反応は限定的だった。

  米国株式市場は大幅上昇した。米金融大手JPモルガン・チェースの4~6月期決算は、デリバティブ取引の損失額が前回公表時に比べて膨らんだが、最終損益では黒字を確保し、1株利益が市場予想を上回ったため安心感が広がった。中国4~6月期GDPの結果に対しては、景気減速への過度な警戒感が和らぎ追加金融緩和への期待感につながった。米7月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は市場予想を下回ったが反応は限定的だった。外国為替市場は手掛かり材料難で小動きだった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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