東芝がテレビなどのデジタルプロダクツ事業の構造改革を実施

2012年7月13日 11:00

 東芝が、テレビなどのデジタルプロダクツ事業の収益改善・事業体質強化を図ることを目的に、国内の設計開発、品質・生産管理、アフターサービス拠点の再編・集約による効率化と、成長市場を見据えたグローバルレベルでの開発・生産体制の確立に向けた構造改革を実施すると発表。

 具体的には、現在深谷事業所にあるテレビの設計開発機能を、年内にPC・タブレット設計開発の中心拠点である青梅事業所に集約。PCやタブレットとの融合商品、地域密着型商品や付加価値サービス創出に向けた開発の加速を図る。また、デジタルプロダクツ製品の機種数、プラットフォーム数の絞り込みを行い、設計開発の効率化と開発リソースの軽量化を促進。さらに、深谷事業所とグループ会社である東芝メディア機器で分散して行っていたテレビ修理業務の一部を、年内に東芝メディア機器に集約し、業務の効率化を図る。

 また、デジタルプロダクツ事業の品質・生産管理業務については、オペレーションのスピードアップを図るため、青梅事業所から海外各拠点への移管を進めるとともに、インドネシアやエジプトなどのテレビ生産拠点の増強やODM生産の拡大により、コスト競争力のあるグローバルレベルでの生産体制の強化を図る。なお、今回の構造改革の対象となるデジタルプロダクツ事業に関わる一部従業員については、新興国・付加価値サービス事業など注力部門へのシフトを行うなど、原則東芝グループ内での配置転換を行う予定だという。

 国内テレビ市場における需要減少と急激な価格低下や、グローバル市場における新興国での需要増、スマートフォンやタブレットをはじめとするデバイスの多様化など、デジタルプロダクツ事業をとりまく環境変化に対応するための今回の構造改革。先日も東芝ライテックが、グループ会社を含めた製造拠点の再編と、100%子会社であるLDF及び東芝照明システムを2013年4月1日付で吸収合併すると発表するなど、急激に変革を遂げようとしている東芝。この再建策が功を奏するか、注目が集まるところであろう。

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