【銘柄診断】タツタ電線はスマホ関連人気と減益転換業績が綱引きも高値肉薄

2012年7月6日 15:46

  タツタ電線 <5809> は6日、後場に日経平均株価が一段安となるなか、逆に上げ幅をやや拡大し11円高の534円と急反発し、前日5日ザラ場につけた年初来高値538円に肉薄している。同社株は、スマートフォン向け機能性フィルムを評価する関連株人気と、今3月期業績を2ケタ減益転換と予想する業績伸び悩みが綱引きして強弱感が対立、信用取組が売り長となり逆日歩がつく信用好需給となっているが、機能性フィルムの増産投資が、今年8月に一部竣工することを先取り、買い方ペースの株価展開となっている。

  同社は、今年3月にスマートフォン市場の成長が続くことに対応して機能性材料事業の拡張投資を発表した。京都府の木津川新拠点に50億円を投資して開発棟、工場棟などを建設、来年5月に竣工させるとともに、現京都工場に約10億円を投資して機能性フィルム用導電性接着剤を製造する建屋などを建設、今年8月に竣工を予定している。

  一方、同社の業績は、今年4月に前期業績を再上方修正し、純利益は、18億7700万円(前々期比3.3倍)と大幅続伸したが、価格競争の激化などから今期純利益を14億円(前期比25%減)と慎重に予想した。

  株価は、このため386円安値まで急落、同安値からのリバウンド場面では強弱感が対立し、信用買い残が減少するとともに、売り残が積み上がり、株不足となって逆日歩がつく展開となった。投資採算的には割高だが、強弱感の対立するなか好需給主導の上値追いも想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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