Jフロント、パルコ株式のTOBを正式発表 1株1100円で

2012年7月5日 18:47

 百貨店大手の大丸と松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングは5日、本日開催の取締役会において、商業施設「PARCO」を運営するパルコの株式を公開買付け(TOB)により取得すること、およびパルコとの間で資本業務提携契約を締結することを決議したと発表した。

 Jフロントは現在、パルコの発行済み株式総数の33.22%を所有し、パルコを持分法適用関連会社としているが、今回のTOB実施によりパルコを連結子会社化する。公開買付けの期間は7月9日から8月20日まで。買付け価格は1株1100円。取得金額は約420億円となる。なお、TOBの上限はパルコの発行済み株式総数の64.97%としている。パルコは同TOB成立後も上場を維持する方針。

 また、Jフロントは、パルコを連結子会社化することを目的として今回TOBを実施するため、公開買付けによってその目的を達成した場合には、現時点で、公開買付け後にパルコの株券等を追加で取得することは予定していないという。

 今回のTOB実施に当たり、Jフロントは、日本政策投資銀行(DBJ)との間で、本日付で公開買付応募契約を締結。これにより、DBJは、8月1日までにその所有しているパルコの新株予約権付社債を普通株に転換すること、及び転換により発行または交付された株式(転換後所有割合18.71%)を全て公開買付けに応募することに合意している。

 Jフロントとパルコは、同一の連結グループとなることで、両社が都心に所有している自社店舗などの資産を相互に提供・活用した開発を進めることができるようになる。具体的には、現在南館建て替えを計画しているJフロントの松坂屋上野店においては、パルコと共同での店舗開発及びパルコ業態の出店も検討するに至っているという。今後両社は、さらに協業関係を拡大させていく方針。

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