アタカ大機、溶融飛灰からの放射性セシウムの分離除去技術を開発
2012年7月5日 12:18
アタカ大機(本社:大阪市此花区)は4日、溶融飛灰からの放射性セシウムの分離除去技術を開発したと発表した。福島原発事故後、焼却灰から国の埋立基準を超える高濃度の放射性セシウムが検出され、関東地方を中心に各地でその保管場所がひっ迫し、問題になっていることに対応する。
今回同社が開発した技術は、焼却灰や飛灰の溶融安定化過程で発生する溶融飛灰を洗浄して放射性セシウムを水へ抽出し、水に移行した放射性セシウムを、プルシアンブルーを用いた特殊な凝集沈殿によって分離除去・濃縮し、放射性二次廃棄物の減容化を実現する技術。
サンプル試験では、まず約85,800Bq/kgの溶融飛灰を水で洗浄して埋立可能な5,000Bq/kg(国の基準値8,000Bq/kg以下)とし、次に飛灰抽出液を特殊凝集沈殿法を用いて処理したところ、発生した汚泥(二次廃棄物)は最大で1億4,600万Bq/kg(乾燥物換算)となり、原溶融飛灰よりも1,700倍濃縮できたという。
アタカ大機では、最終処分場に持ち込まれる前段階で焼却灰から放射性セシウムを除去することが必要と考え、特に高温で処理されるために高濃度に濃縮された放射性セシウムが検出される溶融飛灰に着目し、今回の技術開発に至った。「本技術は焼却灰や飛灰にも容易に展開できる技術であるため、今後長期にわたり放射性セシウムを含むがれき、草木類、農畜産物の焼却処分により発生する焼却灰や飛灰の除染・減容化に役立つものであると確信している」と同社はコメントしている。