三菱自と仏PSAプジョー・シトロエン、ロシア工場での本格生産を開始

2012年7月4日 16:57

 三菱自動車は4日、同社と仏PSAプジョー・シトロエン社(所在地:フランス・パリ)が本日、ロシア・モスクワ市の南西180キロメートルに位置するカルーガ州にある両社合弁による車両組立工場(PCMA Rus)で、本格生産の開始を祝う式典を行ったと発表した。

 PCMA Rus工場では、2010年4月よりSKD生産(Semi Knock Downの略。CKDに比べ完成車両に近い状態で部品・コンポーネンツを供給し、工場で最終組立のみを行い車両を完成させる生産方式)を開始し、これまでの間、「プジョー 308」、「プジョー 4007」、「シトロエン C4」、「シトロエン Cクロッサー」、そして三菱「アウトランダー」の組立てが行われてきた。現在までの生産台数は約9万9千台に上る。

 今回、本格生産としてCKD生産(Complete Knock Downの略。車両組立用の部品を部品単位で供給し、工場で溶接・塗装・組立を行い車両を完成させる生産方式)を開始する。まず7月に「プジョー 408」から開始し、11月には三菱自動車の新型SUV「アウトランダー」の生産も開始される。その後、シトロエンブランド車両の生産も順次開始される計画。

 本格生産の開始に伴い、同工場で組立てられる車両には多くの現地調達部品が使用されることとなる。工場の生産規模拡大、及び、今後の部品現地調達促進の取り組みは、ロシア自動車部品業界の発展に大いに貢献するものとなる。

 現在、PCMA Rus工場で働く従業員の1,700人以上が、カルーガ市とその近郊に住む住民。従業員数は、本格生産の開始以降、徐々に増強される予定であり、2013年末には2,500人規模にまで達することが見込まれている。

 PSA及び三菱自動車の両社は、ロシア市場を長期的な事業拡大における重要な市場の一つと位置付けている。ロシアにおけるPSAの2011年販売台数は前年比35%増、そして2012年第1四半期の販売実績についても前年比25%増となっている。また、販売エリアの拡大も着実に進んでおり、現在ではロシア全土の約90%をカバーしている。同社は、今年中に新型車6車種を投入する予定であり、これによるさらなる拡販を目指している。

 一方、三菱自動車のロシアにおける2011年販売台数は前年比63%増と大幅な増加を見せ、同社としては、引き続き2012年についても、新型「アウトランダー」の投入を柱として更なる躍進を目指している。現行型の「アウトランダー」は、ロシア市場における三菱自動車ラインナップ中の最量販車種であり、今年7月にフルモデルチェンジを経て発売される新型「アウトランダー」についても、ロシア市場で広く受け入れられることが期待されている。

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