各メーカーの放射性物質検査にみる食の安全に対する意識とは

2012年7月2日 11:00

 肉牛のBSEや農作物の残留農薬、産地偽装、製造工程での細菌混入や食中毒など、続発する食に関する問題・事件を背景に、食の安全性に対する意識の高まりが叫ばれて久しい。特に昨年は、原子力発電所事故により否応なしに放射性物質に対する意識が高まり、国や自治体が発表する基準値や検査結果に関わらず、独自に放射性物質に関する検査を実施して安全性の確保に努めるメーカーが増加している。

 放射性物質に関する自社基準・サンプル検査につき、最も大々的に告知をしている企業の一つが雪国まいたけであろう。雪国まいたけでは、昨年9月から世界で最も厳しいとされるウクライナの基準値と同レベルの自社基準を設定し、毎日、検査結果をHP上で公開。今年3月にはその自社出荷基準をさらに厳格化している。

 また、飲料メーカーも各社で放射性物質に関する品質保証体制を確立し、商品の安全確保に取り組んでいる。中でも、アサヒ飲料やキリンビバレッジなどが商品を定期的に分析しているとする一方で、ダイドードリンコは製造日ごとすべての製品における出荷前検査を実施。原材料に関しても、国や自治体により使用制限のなされているものを使用しないのは当然ながら、国産茶葉について納入ロットごと検査を実施するなど、安全性が確認・保証された原料のみを使用している。

 その他、ハウス食品などの加工食品を主に扱うメーカーも検査機器を導入して自社にて検査を実施、ダノンなどは自社検査のみならず外部の検査機関も利用して全ロットについて毎日放射線量の検査を実施しているという。

 自社基準や全品検査など、独自検査の充実により安全性の確保に努める企業が増加する一方で、定期的に第三者分析機関にてモニタリング検査を実施しているとしながらも、行政における継続的な放射性物質のモニタリング検査などによって安全性は確保されているとする企業も少なくない。確かに確保はされているかもしれないが、こういった姿勢をとる企業と独自検査に積極的な企業とでは、消費者のもつ信頼度が大きく異なってくるであろう。企業に対する信頼は、商品の売り上げを大きく左右する要素の一つである。放射性物質に関する検査に対する姿勢が、今後、企業の業績がどういった動向を見せるのかの指標といえるのかもしれない。

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