世界の主要経済指標(分析と市場の反応)6月28日分

2012年6月29日 11:38

【6月28日の主要経済指標と市場の反応】

■28日の日本株は上昇、アジア株、欧州株、米国株は総じて下落、為替は円買い優勢

  28日の日本株式市場は上昇した。株価指数先物取引が主導する形でほぼ全面高の展開となった。

  アジアの主要株式市場はやや手掛かり材料難となり高安まちまちだった。上海、香港は下落した。

  欧州株式市場はEU首脳会議を控えて高安まちまちだった。英、独、仏は下落した。外国為替市場ではユーロ売りが優勢になった。

  米国株式市場は下落した。ダウ工業株30種平均株価は一時前日比176ドル安まで下落する場面があったが、取引終了にかけて買い戻された。外国為替市場は小動きだった。

≪28日 日本≫

  5月商業販売統計で小売業販売額は11兆3060億円となった。前年同月比3.6%増加で、6カ月連続の増加となった。東日本大震災の影響一巡に加えて、エコカー補助金を背景に自動車小売業が同47.3%増加した。一方では、土日祝日が前年に比べて少なかったことや天候不順の影響で、百貨店やスーパーなどの大型小売店は同0.2%減少となった。

  日本株式市場は上昇した。前日の米国株式市場が上昇したことが安心感につながった。内需系セクターを中心にほぼ全面高の展開となり、取引終了にかけては株価指数先物取引が主導する形で上昇幅を広げた。

≪28日 アジア・オセアニア≫

  アジアの主要株式市場は高安まちまちの展開となった。中国の上海と香港は下落し、韓国とシンガポールは小幅に上昇した。主要経済指標の発表はなく、やや手掛かり材料難だった。

≪28日 ユーロ圏≫

  英1~3月期経常収支は111.79億ポンドの赤字となった。11年10~12月の72.28億ポンドの赤字に比べて、市場予想以上に赤字幅が拡大した。

  英1~3月期実質GDP確定値は前期比マイナス0.3%成長となり、前回改定値および市場予想と同水準だった。前年同期比ではマイナス0.2%成長となり、前回改定値の同マイナス0.1%成長から下方修正され、市場予想も下回った。

  ユーロ圏6月消費者信頼感指数確定値はマイナス19.8となった。前回速報値のマイナス19.6から下方修正され、市場予想も下回った。

  ユーロ圏6月景況感指数は89.9となり、5月改定値の90.5に比べて悪化したが市場予想を上回った。業況指数はマイナス0.94となり、5月改定値のマイナス0.79に比べて悪化し市場予想も下回った。

  スペイン10年債利回り上昇やユーロ圏6月景況感悪化を受けて、外国為替市場ではユーロ売りが優勢になった。欧州株式市場はEU首脳会議を控えて様子見ムードが強く高安まちまちだった。英、独、仏は下落した。

  27日のメルケル独首相とオランド仏大統領の会談では、欧州統合を深化させることで一致した。イタリア議会は27日、解雇条件を緩和した労働市場改革法が可決・成立した。業績悪化を理由とする解雇に道を開き、産業活性化につながると期待されている。

  28日に始まったEU首脳会議に関しては、28日の記者会見でファンロンパイEU大統領が、EU首脳は1200億ユーロ規模の成長促進策で合意したことを明らかにし、欧州投資銀行(EIA)による融資拡大やインフラ向けのプロジェクト債が含まれると述べた。ただしスペインとイタリアは、国債買い入れなど借り入れコスト引き下げ策について合意するよう求めて、署名を留保している。オランド仏大統領は「イタリアとスペインは市場安定につながる即効性のある措置に関する議論が進展するまで署名を拒んでいる」と明らかにした。

≪28日 米国≫

  米1~3月期実質GDP確定値は前期比年率プラス1.9%成長となった。前回改定値および市場予想と同水準だった。また米1~3月期企業利益改定値は前四半期比5.7%減少となった。前回の同4.1%減少から下方修正された。

  米新規失業保険申請件数は38.6万件となった。前週改定値の39.2万件(38.7万件から上方修正)に比べて0.6万件の減少となった。4週移動平均は38.675万件となり、前週時点改定値の38.75万件に比べて0.075万件の減少にとどまった。依然高水準として市場の反応は限定的だった。

  米国株式市場は下落した。米新規失業保険申請件数が依然として高水準であることや、医療保険改革法を巡る裁判で最高裁が予想外に事実上合憲の判決を下したことに加えて、JPモルガンチェースのデリバティブに絡む損失額が当初の想定を上回り最大90億ドルに膨らむ可能性があるとのニューヨークタイムズ紙の報道を嫌気した。ダウ工業株30種平均株価は一時前日比176ドル84セント安まで下落する場面があった。その後はEU首脳会議に対する期待感などで買い戻し優勢になり、結局は小幅な下落にとどまった。外国為替市場は小動きだった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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