毛はただの物理的バリアではなく、皮膚の免疫機能も兼ねていた

2012年6月28日 06:00

あるAnonymous Coward 曰く、 毛には外的刺激から体を守る役割があるというのはよく知られているが、毛の部分だけでなく、毛根が入っている毛嚢(もうのう)部分にも免疫機能があるらしい(マイナビジャーナル)。

 慶應義塾大学の研究チームによる発表によると、人間の表皮には白血球の一種で、免疫の起点となる「ランゲルハンス細胞」があり、これが微生物などから生体を守っているそうだ。そして、皮膚での外的刺激や炎症などによってランゲルハンス細胞が表皮へ入っていく際は、常に毛嚢を経由しているという。毛嚢は、皮膚と表皮の間で白血球の交通整理を行う機能を果たしているらしい。

 ちなみにハゲの場合はどうなるかも説明されている。毛嚢が残っている円形脱毛症では免疫機能は正常に動き、毛嚢が残っていない瘢痕性脱毛症では、表皮内のランゲルハンス細胞がほぼ消失して機能しなかったという。

 研究グループによれば、この研究は皮膚での炎症や免疫を理解するため手がかりになるとしている。将来的には、毛嚢が白血球を動員するメカニズムをコントロールできればニキビなどの炎症を抑えることが可能だとしている。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス

 関連ストーリー:
男性型脱毛症を引き起こす遺伝的変異発見 2008年10月16日
ハゲの遺伝子が突き止められる 2007年05月17日
お肌のチェックしてますか? 2003年07月08日

 

関連記事

最新記事