【外国為替市場展望:ドル・円相場】主要国・地域の金融政策に対する思惑が焦点
2012年6月25日 09:26
【外国為替市場フューチャー:6月25日~29日のドル・円相場見通し】
■1ドル=79円台~82円台を想定、米追加緩和期待後退でドル買い・円売り優勢の流れ
来週(6月25日~29日)のドル・円相場については、概ね1ドル=79円台~82円台のレンジを想定する。
19日~20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)を通過して、米国の量的緩和策第3弾(QE3)に対する期待感が後退した。一方で、7月の日銀金融政策決定会合での追加緩和観測が高まっている。このため当面はドル買い・円売り優勢の流れとなりそうだ。
ただし基本的には、主要国・地域の金融政策に対する思惑が交錯する状況だろう。そして週後半の28日~29日にはEU首脳会議、翌週7月6日には米6月雇用統計という重要イベントを控えていることもあり、様子見ムードを強める可能性もあるだろう。
前週(6月18日~22日)のドル・円相場は概ね1ドル=78円80銭台~80円50銭台のレンジで推移した。ギリシャ再選挙、G20首脳会議、米FOMCなどの重要イベントを通過し、ギリシャ問題に対する警戒感や米追加緩和に対する期待感が後退してドル買い・円売りが優勢になった。週末22日の海外市場で終盤は1ドル=80円40銭近辺だった。
ギリシャ再選挙では緊縮財政支持派の新民主主義党(ND)が第1党となり、NDが主導する新連立政権樹立で合意したためユーロ圏離脱に対する警戒感が後退した。米FOMCではオペレーション・ツイストを12年末まで半年間延長することを決定し、バーナンキ米FRB議長が記者会見で「必要があれば追加緩和の準備がある」としたが、市場の一部が期待していたQE3は見送られたため、ドル買い・円売り優勢の流れとなった。
ドル・円相場に関しては大勢として、米QE3期待のドル売り・円買い、ギリシャ問題やスペイン問題に対する警戒感でのユーロ売り・ドル買い、そしてドル買い・円売り市場介入への警戒感が交錯する状況が続いていたが、前週は米FOMCでQE3が見送られた一方で、7月11日~12日の日銀金融政策決定会合での追加緩和観測が強まり、ドル買い・円売り優勢の流れとなった。
当面はこの流れが継続する可能性が高いと考えられるが、基本的には主要国・地域の金融政策に対する思惑が交錯する状況だろう。
来週の注目スケジュールとしては25日の米5月シカゴ連銀全米活動指数、米5月新築一戸建て住宅販売、26日の米4月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米6月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、27日の米5月耐久財受注、28日の英1~3月期GDP確報値、ユーロ圏6月景況感・業況感指数、米1~3月期GDP確報値、米新規失業保険申請件数、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、28日~29日のEU首脳会議、29日のユーロ圏6月消費者物価指数速報値、英中銀金融安定報告、独議会のESMと新財政協定に関する採決、米5月個人所得・消費支出、米6月シカゴ地区購買部協会景気指数、米6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値、ブラード米セントルイス地区連銀総裁の講演などがあるだろう。
その後の注目イベントとしては、7月1日の中国6月PMI、2日の日銀短観、米6月ISM製造業景気指数、3日の豪中銀理事会、4日~5日の英中銀金融政策委員会、5日のECB理事会(金利発表と記者会見)、米6月ADP雇用報告、米6月ISM非製造業景気指数、6日の米6月雇用統計、9日の中国6月CPI、ユーロ圏財務相会合、10日の中国6月貿易統計、EU財務相理事会、10日~11日のブラジル中銀通貨政策委員会、11日の米FOMC議事録(6月19日~20日分)公表、11日~12日の日銀金融政策決定会合、13日の中国4~6月期GDPなどが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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