『株主総会までは強い』か? そろそろ夏枯れ相場に備えるとき=犬丸正寛の相場展望

2012年6月22日 16:42

  来週(25~29日)は6月最終相場であり、株主総会ピーク週でもある。『株主総会までは高い』という展開だろう。

  6月相場は一見、強そうではあったものの盛り上がりに欠けた。6月に入って東証1部の出来高が20億株を超えたのは、まだ立会いを残しているものの、これまでのところ6日と8日の2営業日だけだ。しかも、これから先、7~8月は年間でも出来高の少ない時期が控えている。いわゆる「夏枯れ相場」を迎える。

  この間、3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算の発表が控えているものの、霧の晴れない欧州信用不安、円高傾向、電力不安などを考えると、第1四半期発表において見通しを増額することは期待し難いだろう。引き続き欧州の信用不安の行方を注意深く見守る展開だろう。とくに、アメリカも欧州信用不安の様子見のようである。低金利政策は継続されるものの、QE3(第3次金融緩和政策)は今回はほぼ見送りされた。

  このため、21日のNYダウは250ドル安となった。そのNYダウについては、上値が75日線(1万2856ドル)、下値が25日線(1万2493ドル)。この狭間のモミ合いに入ってきたものとみられる。もちろん、今後、欧州信用不安が拡大し米国経済へ影響が及ぶようならQE3の登場ということだろう。

  一方、22日(金)の日経平均は、21日(木)のNYダウが250ドルも下げたのに比べると下げは小さい。一つには、6月以降の反発局面で日経平均がNYダウに比べで出遅れていたこともある。また、日本独特の「株主総会前は強い」という市場での雰囲気がある。

  最近のマーケットでは、外国人投資家の持株の多そうな銘柄の上値が重い。昨今、外国人投資家の日本株売却が報道されている通りである。このため、主力株を避け、新興系銘柄に物色のホコ先が向かっている。実際、連日ストップ高となる新興系銘柄が目を引く。

  さらに、これから「夏枯れ相場」に向かうと、こうした傾向は、いっそう強まるものとみられる。新日本理化 <4406> 、日本橋梁 <5912> といった人気銘柄が徐々に息を吹き返す可能性もありそうだ。

  来週は株主総会ピークの週で、日経平均は9000円へ挑戦する可能性もありそうだ。しかし、仮に9000円に乗せれば目先の達成感が強まるものとみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
【海運関連特集(3)】シェールガスの開発・生産ブームはプラス要因(2012/05/06)
【不動産大手6社を徹底検証!(1)】当面の収益はマンション分譲が寄与(2012/05/26)
【特集:クールビズ関連銘柄(1)】盛り上がるクールビズ関連商戦(2012/06/03)
【建設機械関連株展望(1)】欧州・中国停滞、北米と国内好調、国内リースも繁忙(2012/06/10)

関連記事

最新記事