双日、インドネシアでエビ養殖・加工事業に参入

2012年6月20日 15:26

 双日は20日、インドネシアでエビ・魚の養殖および加工を手掛けるサビンド社と双日・サビンド アクアカルチャー社(以下、SSA社)を設立し、エビの養殖・加工・販売事業に参入すると発表した。2012年度より出荷を開始し、2014年度には年間650トンの出荷を目指す。

 SSA社の総事業費は約8億円程度を予定しており、養殖池を造成するほか、ふ化場、冷凍加工工場を保有し、ふ化~加工までの一貫生産体制で養殖されたエビを提供する。養殖池は1,000ヘクタール(東京ドーム約214個分)の用地に約10ヘクタール規模のものを90個造成し、日本のエビの輸入量の4割前後を占める大型の「ブラックタイガー」を生産し、日本や中国を中心に輸出する予定。

 養殖池は東カリマンタン州のタテナドン地域に作る。タテナドン地域は台風が少なく、また月間の平均気温は年間を通じて27~28度と安定しており、一年を通して養殖が可能。

 今回採用した「粗放」と呼ばれる養殖方法は、通常の集約養殖と比べて約10倍の広さの池をつくるため、低密度での養殖となり、養殖池の疲弊を抑え、持続可能な養殖方法となる。また、潮の干満差を利用して池内の水を入れ替えるため、電力使用量を抑えることができる。そして、天然のプランクトンを餌とし、合成飼料や抗生物質・抗菌剤などを一切使用しない養殖とすることで、天然の環境に近い状態を可能にする。なお、「粗放」によるエビの養殖事業は、日本企業では双日が初めて手掛けることになる。

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