カネカが乳酸菌R037株に血中中性脂肪の低減効果があることを確認

2012年6月20日 11:00

 カネカが、同社の保有する乳酸菌Pediococcus acidilactici R037株(R037株)に、血中中性脂肪の低減効果があることを、動物実験及びヒト試験にて確認したと発表。今後、本結果の紹介とともに、R037株の市場開発を進めていく。

 近年、乳酸菌には従来知られている整腸作用以外にも様々な効果があることが、各社の研究により明らかになってきている。こうした中カネカは、メタボリックシンドローム予防に着目して研究を進めていた。そして今回、動物モデルにて、R037株摂取により血中の中性脂肪が低減することを確認し、空腹時中性脂肪が高めのヒトを対象とした試験にて、ヒトに対しても効果があることを確認したという。

 高い中性脂肪値は動脈硬化の原因となり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクファクターとも言われている。今回カネカは、ヒト試験として2週間連続摂取と高脂肪食摂取後の単回摂取を実施。前者では中性脂肪及びRLP-コレステロールの低減が、後者では中性脂肪及びRLP-コレステロールの上昇抑制が、統計的に有意に確認された。

 乳酸菌を巡っては、4月にサッポロ飲料が、アルコール性肝障害予備軍のヒトを対象とした実験で、乳酸菌の飲酒によるγ―GTPの上昇抑制効果を発見したと発表。5月にもタカナシ乳業が、プロバイオティクス乳酸菌であるLGG菌(ラクトバチルスGG株)の腸管上皮の保護作用を確認したと発表するなど、近時急激に注目度が高まり、研究が進んでいる。研究が進むにつれ飲料メーカーや食品メーカーも、企業買収などの動きを活発化させている。これらの研究結果が、今後市場にどういった影響を及ぼすのか、注目に値するであろう。

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