日本HP、世界初電源不要のシンクライアント端末を発表 LANケーブルから給電
2012年6月18日 13:43
日本ヒューレット・パッカード(HP)は15日、電源ユニットを使用せず、LANケーブル一本で使用できる世界初の18.5インチワイド液晶搭載一体型シンクライアント端末「HP t410 All-in-One Smart Zero Client(以下、t410 AiO)」を発表した。新製品は、日本HP直販営業、日本HP販売代理店を通じ、7月下旬より販売を開始する。販売予定価格は35,000円前後。
「t410 AiO」は、LANケーブルを接続するだけで使用できるシンプルなクライアント仮想化専用端末。LANケーブルから給電可能なPoE機能に対応することにより、ACアダプターなどの電源ユニットなしで利用できる。既存のIP電話用PoE対応アクセススイッチなどを活用すればLANケーブル一本で簡単に導入可能なため、複雑な配線も不要で、省スペース化、レイアウト変更にも柔軟に対応できる。
また、クライアント側の設定作業が不要な「HP Smart Zero Client Service」の採用により、導入や管理・運用にかかる時間やコストの大幅な削減を実現した。「t410 AiO」は、省電力や省スペース、グリーンIT、情報セキュリティといった、日本の企業が抱える課題の解決に最適な製品となっている。
高いセキュリティ性と設定作業が不要な使いやすさは、官公庁や金融、医療などの業種での利用に最適なほか、シンプルな構造で壊れにくいため、教育機関の教室用端末としても適している。また、すでにIP電話環境の整っているコールセンターやテレコム業界、省電力が今夏も大きな課題となっている製造業など、幅広い業界、業種で活用することが可能。
「t410 AiO」のディスプレイ部には、米3M社の開発による光利用効率の改善性が高い最新のLCD光学フィルムを採用することにより、消費電力を抑えながらも輝度を落とさず、角度を変えても鮮明な画面表示を実現した。
同フィルム採用によりパフォーマンスを最適化することで、「t410 AiO」はディスプレイを含め13W以下の低消費電力を実現し、2年前のセパレート型ビジネスPCと19インチディスプレイの組み合わせと比較した場合、その消費電力は20分の1と大幅に削減された。また、製品の素材にはBFR/PVCなどの有害物質を含まず、廃棄時に90%以上がリサイクル可能。それらの優れた環境性能により、Energy Star、EPEAT Goldなど国際的環境評価基準をクリアしている。