関西電力は続伸後にもみ合い、電力各社は大飯原発再稼働も材料織り込み済み?!=浅妻昭治

2012年6月18日 10:24

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  関西電力 <9503> は18日、14円高の1056円と続伸したあと、19円安と反落するなど、6月15日につけた年初来安値1017円を前にもみ合いを続けている。前週末土曜日16日の12時に政府により同社の定期検査中の大飯原子力発電所3号機、4号機の再稼働が決定されたと発表、3号機について再稼働に向け作業や点検などを開始すると発表したが、すでに今年5月末以来、この再稼働を巡って株価が乱高下していただけに、材料出尽くし感も強まり信用買い残の整理売りも交えて売り買いが交錯している。

  関西電力のもみ合いに伴い電力各社の株価もやや伸び悩んでおり、このうち運転停止中の原発に再稼働接近が観測されている電力会社では、北陸電力 <9505> が、41円高の1174円、四国電力 <9507> が、10円高の1664円、九州電力 <9508> が、14円高の927円などとそれぞれ高寄りしたあとマイナス転換し、30円高の951円と高寄りした北海道電力 <9509> のみが、プラスをキープしている。

  関西電力の原子力発電所は、昨年2月に高浜発電所3号機が、定期検査入りとなって全原発が運転停止となり、これにより業績も大幅に悪化、前3月期は赤字転落するとともに、今期業績も原発再稼働時期と販売電力量が未定として未定予想としていた。

  大飯3号機は、7月上旬に起電、発電を開始し数日後に一定運転となり、4号機も7月中旬~下旬に起電、発電を開始する予定で、この再稼働により火力燃料費負担が軽減することから業績面への寄与も想定される。

  同社八木誠社長は、7月下旬に両原発がフル稼働した場合、1600億円程度のコスト改善につながると発言しており、再稼働後にこの確認が続くことになる。

  株価は、年初来安値水準にあるが、信用売り残が減少する一方、再稼働先取りで買い残が積み上がっており、当分は、この整理売りが先行しそうだ。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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