エステー、家庭用放射線測定器の第3弾「エアカウンターEX」を新発売
2012年6月12日 19:10
エステーは12日、新たに“CsIシンチレーション式”を検出形式に採用し、感度を大幅アップ、高価格品と同等の測定時間を実現した家庭用放射線測定器「エアカウンターEX」を、6月20日より、自治体や学校、教育機関、除染事業者などを対象に発売すると発表した。また個人向けには、8月初旬に同社のインターネット通販で発売する予定。販売価格は19,800円(税込)で、月産数量は約1万個。
エステーは、一般家庭でも安心して使える性能と価格を実現した家庭用放射線測定器「エアカウンター」を昨年10月に発売。また、その後継機種として性能をアップして価格も下げた量産タイプの「エアカウンターS」を2012年2月に発売し、シリーズ累計で26万個を出荷している。いずれも大きな反響があり、多くの生活者に受け入れられてきた。そして今回発売する「エアカウンターEX」は、「エアカウンター」を手がけたホシデン株式会社(本社:大阪府八尾市)との共同開発により、“CsIシンチレーション式”ならではの圧倒的な高性能でこれまでにない低価格を実現した。
エステーの家庭用放射線測定器の第3弾となる「エアカウンターEX」は、検出方式に、これまでのSi半導体から、より高性能の“CsIシンチレーション式”を採用しているのが特徴。これによって、Cs137の測定感度が格段に高まり、その測定時間は既存の「エアカウンターS」の最長2分に対し1/4の約30秒と、測定時間を大幅に短縮した。
また、精度も±15%とこれまでの±20%から高め、低線量時でもより精度の高い測定ができ、移動しながらでもホットスポットを高精度に特定できる。測定範囲は、現行機種の0.05μSv/h~9.99μSv/h(μSv/h=毎時マイクロシーベルト)から、 0.01μSv/h~99.9μSv/hに大きく広げて、除染事業者などの高いニーズにも対応している。さらに、計測中に放射線を感知する度にブザーが鳴る機能や、計測完了後、5秒毎に数値を更新しながら連続測定が可能となっている。
本体は、「エアカウンター」同様の約82mm×62mm×34mmの丸みを帯びたコンパクト設計で、持ちやすく、使う人にやさしいデザインとなっている。また、操作はボタンひとつで簡単にでき、表示部には40mm×25mmの大型液晶を採用して文字も大きく見やすい設計となっている。電源には単4アルカリ電池2本を使用し、連続駆動時間は標準的な使用環境で約125時間。
なお、「エアカウンターEX」で採用している“CsIシンチレーション式”は、1年を超えて使用した場合、校正作業が必要になる場合があるという。このためエステーでは、ユーザーに向けて簡易校正サービス(有償)を行う体制を整える予定。これらのアフターサービスをよりスムーズに行えるよう、販売ルートは指定販売ルートおよび同社のインターネット通販に限定するという。