【建設機械関連銘柄診断】日立建機は日本のレンタル、北米でのエネルギー向け好調、2ケタ増益
2012年6月11日 09:24
【建設機械関連主力3銘柄の業績&株価】
■日立建機 <6305> (東1)
2013年3月期連結業績見通しについて、売上高が前期比8%増の8800億円、営業利益が同42%増の780億円、経常利益が同32%増の680億円、純利益が同52%増の350億円としている。予想EPS(1株利益)は165円24銭、年間配当は40円(第2四半期末20円、期末20円)としている。
日本市場でのレンタル需要、北米市場でのエネルギー関連需要、アジア市場での需要増加などにより、増収増益の見通しである。前提となる為替レートについては1米ドル=78円、1ユーロ=105円、1人民元=12.5円としている。なおTCMを第2四半期から持分法適用会社とするため、この影響による産業車両事業での減収590億円を織り込んでいる。
地域別売上高の見通しについては、日本が前期比11%減少の1875億円(ただしTCMの持分法適用会社化の影響を除くと同6%増加の1773億円)、アジア大洋州が同17%増加の2849億円、米州が同29%増加の1195億円、欧州が同9%減少の585億円、ロシア・CIS・中東・アフリカが同23%増加の880億円、中国が同5%増加の1416億円としている。
中国に関しては、12年3月期が11年3月期に比べて34%減少したが、13年3月期は油圧ショベル需要の下期からの回復と、鉱山機械の受注拡大により増収を目指している。
なお、日本鋳造(東証2部5609)の第三者割当増資を引き受けて18%強を出資し第2位株主となる。大型の建設機械や鉱山機械向けの部品の安定調達先を確保し、サプライチェーンを強化する方針だ。
■利回り2%台後半、PERも割安に
株価は、3月19日の年初来高値1922円から反落し、市場全体の地合い悪化も影響して、足元では1500円近辺まで下落している。週足ベースで見れば、年初来安値(1月6日の1268円)に対しては多少の余裕があるものの、26週移動平均線を割り込んで軟調な展開となっている。
足元の株価水準を指標面で見ると、13年3月期会社予想ベースの連結予想PERは9~10倍近辺、予想配当利回りは2%台後半、12年3月期連結BPS(1株当たり純資産1522円86銭)ベースの実績PBRは1倍近辺の水準であり、指標面では予想PERや実績PBRに割安感が意識される水準だろう。需給面では信用倍率(5月25日時点)が1倍近辺である。
チャート面で見れば軟調な展開だが、26週移動平均線に対するマイナス乖離率は比較的小さいだけに、これを早期に回復すれば調整一巡感が強まる可能性があるだろう。ただし、中国政府の大規模な景気刺激策や、中国市場での需要動向が材料視される特性が強いだけに、全体の地合い改善だけでなく、中国関連での支援材料も欲しいところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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