東京ガスが続伸、円高メリット株は電力株がダメならガス株に出番=浅妻昭治

2012年6月5日 10:38

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  東京ガス <9531> は5日、5円高の377円と続伸して始まっている。前日4日の米国市場で、原油先物(WTI)価格が、1バーレル=83.98ドルと0.75ドル高と反発したものの、なお安値水準あり、為替相場も、日本政府による円売り介入懸念で0.37円安の78・36~78.40円と若干、円安に振れたもののなお円高水準にあり、円高メリット株として同社株に下値買いが続いている。

  円高メリット株といえば、電力株が最右翼セクターで、ガス株はそのカゲに隠れ2番手に甘んじてきた。それが東京電力 <9501> の原発事故以降、大きく様変わりとなった。東京電力はじめ電力各社は、全原発の運転停止で火力発電の発電原料費負担が重くなっており、買い評価が難しくなっている。

  それに対して、東京ガスは、今3月期業績予想の前提として為替レートを1ドル=85円、原油価格を1バーレル=120ドルと想定しており、円高メリット、原油安をダブルに享受、前期と同様に期中の再三の上方修正も期待されている。猛暑到来なら、ガス販売量は減少するが、発電事業のフル稼働も見込まれる。

  株価は、自己株式取得の実施・終了、明6日予定の自己株式消却発表にもかかわらず年初来高値402円から30円幅の調整となっており、PER15倍台の割安修正に再発進も見込まれる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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