【銘柄診断】石井工作研究所は高利回りがアピールするが、業績回復ピッチが鈍い

2012年6月2日 18:00

  石井工作研究所 <6314> (JQS)は5月16日に昨年来安値177円に面合わせしたが、以後は反発することもなく、そのままもみ合いとなる低調展開が続いている。前2012年3月期は4億2800万円の営業損失となったが、今2013年3月期は営業利益3400万円と黒字転換の見通しにある。ただ1株当たり利益は4円と低水準で、株価に影響を与えるほどの回復ではない。

  従って割高な株価を支えているのは10円という高配当実施による5.4%に達する高利回り。半導体関連事業の事業環境は、電子部品の過剰在庫の調整進捗により緩やかな生産回復局面を迎える見通しだが、半導体製造装置の設備投資については一部後送りや削減の動きがうかがえる。

  従って、超精密加工技術を活かした車載関係装置や液晶関連装置など新技術や新製品の開発に注力する方針。また、不動産・建築関係事業においては、太陽光発電装置の販売に注力し、エレベータの新機種販売開始を目指している。ともあれ株価を納得させるだけの業績回復がないと、株価は低水準でのもみ合いが継続することになりそう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
『諦め感台頭待ちの展開』、「円高」が企業業績期待を萎ませる=犬丸正寛の相場展望(2012/06/01)
【株式市場を検証】円高、週末、米5月雇用統計でリスク回避の売り(2012/06/01)
地熱発電特集(4):地熱発電を国内・海外で事業展開する主要な関連企業(2011/05/08)
LED照明関連銘柄特集(5)=LED照明に続く次世代の省エネルギー型照明も注目(2011/05/10)

関連記事

最新記事