3月のあらたに続き東証1部指定替え銘柄に逆行高素地=浅妻昭治

2012年5月31日 10:37

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

■ヒマラヤは高寄り後もみ合い

  ヒマラヤ <7514> は31日、3円高と高寄りしたあと、8円安の731円と4日ぶりに反落し、前日ザラ場につけた東証第1部指定替え後高値745円を前にもみ合いを続けている。

  指定替えに伴い東証株価指数(TOPIX)に算入され、TOPIX連動型のファンドの買い増しが高まることを先取りして需給好転期待の買い物が続き、全般相場の急続落も響き利益確定売りも交錯している。

  東証第2部から第1部への指定替えは、今年3月9日に東証が指定替え基準を緩和したことで急増しており、このほか東証マザーズから市場変更されたKLab <3656> を含めると、ヒマラヤまで9銘柄が上場された。

  このいずれもが、かつては指定替えとともにかなりの確率で実施した希薄化懸念の新株式発行・株式売出しを伴わなかったことも手伝って人気化、9銘柄の承認日終値からその後の高値までに平均上昇率は、31.70%と相場が波乱展開するなか、異色の逆行高を演じた。

  なかでも3月19日指定替えのあらた <2733> は、2.04倍と短期大化けを演じた。これに続くのが4月6日指定替えの亀田製菓 <2220> で、ヒマラヤは、これからTOPIX算入が行なわれるだけに、先行2社にどれだけキャッチアップできるか注目されている。

  もっとも指定替え9社のうち、前日30日終値が、指定替え承認日の終値を下回っているのが、3銘柄に達しているだけに、投資スタイルとして「ヒット・アンド・アウェイ」で対処するか、中期投資銘柄として仕込むかは悩ましいところではある。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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