[仕事術]ペーパーレスな生活がもっとも生産的?
2012年5月30日 21:56
職場のペーパーレス化が言われ出してはや久しく、その方向に大きく進歩してきているのは確かです。しかし、いまだにデスクの上には書類のハードコピーが置いてあり、メモの走り書きがいたるところにあります。紙のカレンダーは発売され続け、名刺は山となって引き出しの中に溜まっています。
近年の電子化の流れを押し進めているのは電子書籍端末(eReaders)で、その競争は激化しています。最近本屋へは行っていないという人もいるかもしれません。しかしながら外へ出てみると、このような状況の中でも、書店はまだ営業していて閉店しそうにはありませんね。
新聞や雑誌はオンライン購読ができるようになりました。これは出版元にとっては大幅なコストダウンになりますし、しばらくのあいだは、スポンサーの紙版離れが起こっているようでした。しかし、小康状態が2年間続いたのち、ここ数か月で、流れが反転してきたようなのです(編注:本記事の原文は2010年3月に執筆されたものです)。マルチメディアリサーチ社のデータによると、雑誌の読者数は過去5年間で4.3%増加しています。
もしペーパーレスがもっとも生産的なことなのだとしたら、なぜこうしたことが起こるのでしょうか。
わたしたちの仕事の多くは、コンピューターを用いたほうが能率よくできることは疑いようがありません。しかし、人は紙が好きなのです!その理由のひとつに、人は電子コピーよりハードコピーのときのほうが30~50%も速く読めるということがあります。このことに確信が持てない場合は、あとでじっくり読みたいと思う長文のメールや資料をどのぐらい頻繁に印刷しているか考えてみてください。
速く読んだり、紙の横の空白にメモを書き留めたり、資料を隣同士に並べて読み比べたりすれば、生産性は確実に上がることでしょう。
ちなみに、出版5社によってキャンペーンが実施された新しい雑誌の広告のひとつでは、競泳のマイケル・フェルプス選手の写真のそばに次のようなメッセージが載っていました。
ネットでサーフィンし、
雑誌で泳ぐ。
(We surf the Internet.
We swim in magazines.)
ペーパーバックや雑誌を一冊書類カバンの中に入れておくと、10~15分の遅れが出たときや、列に並んで待たなければならないときなどに、簡単にすばやく、ちょくちょく利用できます。自宅やホテルでは、電子機器よりも、印刷された本や雑誌を手に腰を落ち着けると、よりくつろげるでしょう。
あらゆるものは進化していますから、両方の世界の一番良いところを組み合わせるとうまくいくはずです。しかし、生産性を最大限上げるためには最新で最高の科学技術を用いたものしか使うべきではない、とは思わないようにしましょう。